献体の遺骨6年半放置の兵庫医大「甚大な不手際と認識」 1人の遺族には返還

献体の遺骨6年半放置の兵庫医大「甚大な不手際と認識」 1人の遺族には返還
神戸新聞NEXT 2021/11/29(月) 12:21配信

 医学教育・研究のため提供された遺体(献体)の遺骨を6年半以上にわたって放置していた問題で、兵庫医科大学(兵庫県西宮市)は29日、神戸新聞社の取材に「甚大な不手際と認識し、遺族には引き続き真摯に対応する」と改めて謝罪した。献体した3人の遺族には今月上旬までに連絡、謝罪し、1人の遺族には既に遺骨を返したという。

 2014年2月に死亡し、献体した高橋純一さん=当時(82)=の遺族が今年10月、同大学に問い合わせて判明。15年1月に解剖実習で提供され、同年4月に火葬後、大学の遺骨安置室に保管されたままだった。

 同大学は遺族の連絡を受けて調査。高橋さんと同時期に死亡、献体した2人の遺骨も6年半以上学内に安置されたままで、遺族に連絡していなかったことが発覚した。

 その後、1人の遺族に遺骨を返還。もう1人は遺族が大学の慰霊碑への合葬を希望したため、手続きを進めているという。高橋さんの遺族は「大学はずさんな対応をしており、本当に本人の遺骨か分からない」と返還を拒んでいる。

 大学によると、ほかに対応の不備はなかったといい、「遺族にはおわびと経緯説明をしており、遺族の心情を鑑みて要望にそって対応する」としている。(井川朋宏)

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