教職員「スト」の和歌山南陵高校 運営法人の新理事長に井植氏就任

教職員「スト」の和歌山南陵高校 運営法人の新理事長に井植氏就任
毎日新聞 2022/8/27(土) 22:00配信

 給与の未払いなどに起因する教職員の「授業スト」が起きた和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)を運営する学校法人「南陵学園」(静岡県菊川市)の新たな理事長に、実業家の井植浩之氏が就いたことが学校関係者への取材で分かった。法人側が26日付で保護者に文書で通知した。学校関係者によると、井植氏は会社社長で、三洋電機創業者一族の一人という。

 同校を巡っては、保護者への就学支援金の返還遅れや教職員の私学共済の掛け金滞納など金銭を巡るトラブルが相次いで発覚、法人の資金不足が懸念されていた。静岡県は7月、法人に対し私立学校法に基づく措置命令を発出。教育活動に支障を生じない財産を備えることを要請したほか、役員や評議員数の不足、2022年度の予算や事業計画の未作成などといった不備も指摘し、改善を求めた。法人は8月23日に経営改善計画書を提出したという。

 前理事長の小野和利氏は、問題発覚以前から新たな事業者に学園の運営を事業承継する意向を明らかにしており、問題発覚後に退任を表明。井植氏は保護者向け文書で「事業承継が完了した」と報告した。文書によると、小野氏は今後も「学園長」として学校に残るという。

 法人側は9月中に保護者会を開いて「今後の学校運営方針などを説明する」としているが、保護者の一人は取材に「(通知は)突然送られてきて、公印もない。法人側には納得できる説明をしてもらいたい」と話した。【加藤敦久】

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