県庁前で妻殺害の元大学准教授 控訴棄却/埼玉県

県庁前で妻殺害の元大学准教授 控訴棄却/埼玉県
テレ玉 2023/3/29(水) 18:52配信

 3年前、県庁前の路上で、当時53歳の妻を包丁で殺害したとして、殺人の罪などに問われた元大学准教授の控訴審で、東京高裁は29日、懲役7年とした一審判決を支持し、控訴を棄却しました。

 一審の判決によりますと、元大学准教授の浅野正被告(54)は2020年3月、さいたま市浦和区の県庁前の路上で、妻の法代さん(当時53)の胸などを包丁で刺し、失血死させたものです。

 一審のさいたま地裁は「家族に殺されるという恐怖心を抱いた、妄想性障害が認められるものの、一定程度の抑制力のもと、犯行を行った」として、懲役7年の判決を言い渡しました。

 一方、被告側は、心神喪失状態であったにもかかわらず、一定の判断力が残る「心神耗弱」とした認識に誤りがあるなどとして、控訴していました。

 29日の判決で東京高裁の伊藤雅人裁判長は「犯行前に大学の会議に出席するなど、論理的にまとまりのない行動は見られなかった」と述べた上で、「妻殺しで、社会的非難をあびることは気にしない」といったメモを残していることから、「葛藤の中で、自己判断により殺害を行った」として、被告側の控訴を退けました。

 16日午後6時ごろ、さいたま市浦和区高砂3丁目の埼玉県庁前路上で、さいたま少年鑑別所の職員浅野法代さん(53)が刃物で刺され、病院に運ばれたが死亡した。県警は殺人未遂の疑いで、現場にいた文教大人間科学部臨床心理学科の准教授で、法代さんの夫とみられる浅野正容疑者(51)を現行犯逮捕。容疑を殺人に切り替えて経緯を調べている。
 捜査関係者によると、正容疑者は文教大キャンパスのある同県越谷市に住み、法代さんとは別居中だったと家族が説明している。大学のホームページによると、犯罪心理学などが専門で、犯罪被害者を支援する活動にも取り組んでいた。

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