園児虐待、自治体監査を妨害か 容疑で保育園職員を書類送検 警視庁
毎日新聞 2023/5/18(木) 19:45配信
園児への虐待について調べる自治体の立ち入り監査を拒んだとして、警視庁少年育成課は18日、東京都日野市の認可保育所「吹上多摩平保育園」の男性職員(36)と、同園を運営する社会福祉法人「吹上会」(同市東豊田3)を子ども・子育て支援法違反の疑いで書類送検した。同法違反での摘発は全国初という。
書類送検容疑は2022年11月10日、立ち入り監査のため保育園を訪れた市職員の前に、園の男性職員が「施設長か弁護士が来るまで待ってほしい」などと言って約17分間にわたり立ち塞がり、監査を妨害したとしている。市職員はこの日は敷地内に入れず、監査できなかった。男性職員は「監査は拒否していない」と容疑を否認しているという。
同課によると、市は22年10月にも監査で同園に立ち入ろうとしたが、男性職員らに妨害されていた。
同法では、自治体は保育所に支給される給付金の利用実態を確認するために施設に立ち入りできると規定しており、監査を拒んだ場合は罰則を科すと定めている。
吹上多摩平保育園を巡っては、21年6月に日野市が警視庁に相談。市は22年7月に園に改善勧告したが、虐待を否定したことなどから、同12月に勧告に従わなかったとして園名を公表した。市は今年2月に刑事告発し、30代の男性保育士が園児への傷害と暴行容疑で逮捕、起訴されている。【加藤昌平】