アカハラ被害、教員から「お前」「うそつき」呼ばわり 広島県内の女子学生、大学に不信感も
中国新聞デジタル 2023/5/24(水) 10:30配信
大学でのハラスメントが後を絶たない。各大学は専用の相談窓口を設けているが、被害を口に出せない学生も少なくない。専門家は、研究・教育現場を取り巻く教員の優位な立場や権力の悪用などが背景にあると指摘。「ハラスメントは学生個人の人生の可能性を狭めるだけでなく、社会全体にとっても有用な人材育成が阻害されてしまう」と批判する。
キャンパス内であった大事な口述試験。広島県内の20代女子学生は、指導を受けていた男性教員から、うそつき呼ばわりされた。他の教員たちの前で高圧的に大声で批判もされ、深く傷ついた。
学校側に訴え出て改善策は示されたが、一時は研究を諦めようかと悩んだ。そのうち、他の学生からも教員の行為を問題視する声が上がり、学校側は聞き取り調査を始めた。女子学生も聞き取りを受けたが「私のほうが責められるような質問もあり、何度も振り返って説明すること自体がつらかった」と話す。
学校側への不信感も積み重なり、一時期は学校に通えなくなった。心療内科でうつと診断された。教員は懲戒処分されたが、直接の謝罪はなかった。
思い返せば、入学した年から、その教員の言動には違和感があったという。気に入った学生には、下の名前を呼び捨てにしたり「ちゃん」付けで呼んだりする。一方、自分は「お前」と呼ばれ、意見を言うと「お前はいつも言うことを聞かない」などと何度も怒鳴られた。頭をたたくようなそぶりをしたり、別の学生の体形をからかう発言をしたりすることもあった。
嫌悪感は募ったが、当時はまさか「先生」がハラスメントをするとは思いもしなかった。「指導の一貫かもと思って、すぐには声を上げられなかった」と学生は話す。
中国新聞の調べでは、中国地方の国公立大では、22年度までの5年間でアカハラやセクハラなどのハラスメントによる処分が少なくとも計24件あった。
被害を受けた女子学生は「学費を払って真面目に取り組んでいたのに、貴重な時間と研究への意欲を奪われた」として納得できないという。「教員や学校側は『この程度のこと』と思っているのかもしれないが、ハラスメントへの意識をアップデートする必要があるんじゃないでしょうか」と憤る。