豪高校授業でインド人中傷 州裁判所、教育庁に謝罪命令
時事通信 2023/8/3(木) 14:48配信
【シドニー時事】オーストラリアの公立高校の授業で教師がインド人を中傷したとして、ニューサウスウェールズ州民事行政裁判所は1日、州教育庁に謝罪を命じた。
インド系を含む移民の増加で豪社会の多様性が増す中、教育現場に人権尊重の徹底を求めた形だ。
豪メディアによると、シドニー郊外のクロヌラ高校で2021年3月、商業科の男性教師がインド人の出演する動画を教材に使用。その際、インドの公用語ヒンディー語の響きをあざ笑い「インド人は皆、(配車会社の)『ウーバー』運転手や(食材宅配会社の)『デリバルー』配達人をしているし、彼らのサービスは悪い」と発言した。また、インド系の女子生徒に何度も顔を向け薄ら笑いを浮かべた。
この生徒は精神的に傷つけられたとして学校に抗議したが、十分な対応がなく、州裁判所に訴えた。裁判所は他の生徒の証言を得て、教師の言動を人種差別的な中傷と認定。教育庁に被害生徒への公式謝罪を命じた。教師は戒告処分となり、研修を課される。