「まだ読める本も」大量廃棄で消えた47万冊…図書室リニューアルのギモンと課題

「まだ読める本も」大量廃棄で消えた47万冊…図書室リニューアルのギモンと課題 #ニュースその後
HOME広島ホームテレビ 2023/10/1(日) 18:03配信

広島県では学校の図書室をリニューアルする取り組みが進んでいますが、今年3月、その過程で学校から47万冊の本が減少したことが分かりました。ニュースのその後を追いました。

【リニューアルした図書室に議論】

福山市教委は現在、公立小中学校など100校で図書室のリニューアルを進めています。
白く塗られた本棚に大きなぬいぐるみとソファーが置かれた図書室には、読み物中心ではなく、図や写真中心の本やマンガなど楽しんで読める本が並んでいます。

しかし、3月の福山市議会では質問が相次ぎました。
市議「この整備にあたって福山市教育委員会がしっかりとした主導権を握っていたのか。」

リニューアルのどこが問題だったのでしょうか。

【購入すべき本の1割が監修者の本】

リニューアルに伴って学校には市教委から「新たに購入すべき本のリスト(必備リスト)」が配られました。しかし、本の1割がリニューアル事業の監修者(赤木かん子氏)の著書だったのです。

市議「なぜ赤木さんなんかと質問の中で言いましたね。そこに至った経緯が理解できないのですが」

市教委はリニューアルの目的を「親しみやすい場所と手に取りやすい本の整備」としていて、「赤木かん子氏は広島県のアドバイザーでもあり、手がけた県立学校も訪問し、任せることにした」としています。

【47万冊が消えた…】

さらにリニューアルが始まってから3年間で、約47万冊の本が減っていることもわかりました。国が目安としている小学校(1学年3クラス)の蔵書数は約1万冊で、40校分を優に超える数字です。

国も「内容が古くなり時代背景や解釈の違いのある本の廃棄」については推奨していますが、学校関係者から疑問の声があがっていたことが、私たちの取材でわかりました。

「まだ読める本も捨てるように指示された」
「ズッコケシリーズなど監修者の指示で子どもたちが好きなものも含まれていた」
「本を捨てろというのに監修者の本を買えというのは気が引ける」

学校関係者が、学校名などを明かさない条件で答えてくれました。

一方、福山市教委は、リニューアル後の貸し出し数は、小学校で1.5倍、中学校などで1.7倍になったとして成果を強調しています。

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