武田塾フランチャイズ、本部ともめたら130m先に直営校…報復目的と認め開校差し止め仮処分
読売新聞オンライン 2023/11/22(水) 18:05配信
学習塾「武田塾」の運営会社(東京)がフランチャイズ(FC)加盟校近くに直営校を開校するのは違法だとして、FC校側が開校の差し止めを求めた仮処分の申し立てで、東京地裁(笹本哲朗裁判長)は運営会社による独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を認め、開校の差し止めを命じる決定をした。決定は21日付で、FC校側が22日に記者会見して明らかにした。
決定などによると、FC校側は2017年8月頃、運営会社と結んだフランチャイズ契約に基づき、千葉県流山市に「武田塾南流山校」を開校。広告宣伝費などの徴収を巡って運営会社と争いになり、今年8月に300万円超の返還を求めて提訴したところ、運営会社が約2週間後、同校から約130メートル離れた場所に直営校を開校すると公表した。
決定は、規模の大きな運営会社が提訴への報復という不当な目的で直営校の開校を決めたと認定。「直営校が開校されれば生徒が奪われ、FC校側には重大な不利益が生じる」として差し止めを命じた。直営校は25日に開校予定だった。
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武田塾、開校差し止め仮処分 「FC校提訴に報復」指摘 東京地裁
時事通信 2023/11/22(水) 15:12配信
進学塾「武田塾」の運営会社が、フランチャイズ(FC)校のすぐそばに直営校を開校しようとしたのは違法として、FC校が開校差し止めを求めた仮処分申し立てで、東京地裁(笹本哲朗裁判長)は22日までに、差し止めを命じる仮処分決定を出した。
FC校は広告を巡って同社を提訴しており、地裁は「開校は訴訟提起に対する報復という不当な目的があったとみられる」と指摘した。
21日付決定などによると、武田塾の運営会社「A.ver(エイバー)」(東京)は広告宣伝などを「オーナー投票」と呼ばれる多数決で決め、反対したFC加盟校からも費用を徴収した。
千葉県流山市のFC校は8月、契約に根拠がないとして広告宣伝などの費用325万円の返還を求め提訴。約2週間後、同社はFC校から約130メートルの場所に直営校を開校すると発表した。
地裁は決定で、「開校は正常な商慣習に照らして不当にFC校の不利益となる」と指摘し、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用だ」と認定した。
記者会見したFC校代表の神田和花さんは、在籍生徒らから直営校に移りたいといった相談が毎日のようにあると明かし、「声を上げることができないFCの仲間の希望になりたい」と語った。
エイバーは「厳粛に受け止めるが、結論は受け入れられず異議申し立てを行う」とのコメントを出した。
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日本初、学習をしない塾