試薬廃棄中の事故で疾患 旭川医科大学に1.5億円の賠償命じる
毎日新聞 2024/3/2(土) 11:37配信
旭川医科大で2009年、試薬廃棄中の事故で有毒ガスを吸って呼吸器の病気を患ったとして、元大学医局員の水元克俊さん(44)が大学と元指導教官に約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、旭川地裁(上村善一郎裁判長)は1日、大学に約1億5000万円の支払いを命じた。
判決は「国立大学法人の教育研究活動の中で発生し、事故と原告の気管支炎の発症には因果関係が認められる」と指摘。国家賠償法の適用を認めた。一方で、公務員個人は職務について民事上の損害賠償責任を負わないとして、元指導教官への請求は棄却した。旭川医大は「判決内容を検討し対応を考えたい」とコメントした。
判決によると水元さんは09年11月、指導教官の指示で試薬を廃棄していた際に、廃棄用ポリタンク容器が爆発し、有毒ガスを吸って肺と気管支に疾患を負った。【土屋信明】