不来方バレー部員自殺から6年 再発防止「岩手モデル」策定 各校に説明<岩手県>
岩手めんこいテレビ 2024/5/29(水) 6:15配信
6年の時を経て一つの形となった。
2018年に不来方高校の男子バレーボール部員が自殺した問題で、県教育委員会は教職員の不適切な指導を根絶するための再発防止「岩手モデル」を策定し、5月28日に臨時の校長会議で説明を行った。
「岩手モデル」は、不来方高校男子バレー部員だった新谷翼さん(当時17)が、顧問の不適切な言動を苦に自殺した問題を受け、再発防止策などをまとめたものだ。
新谷さんの名前を取って「TSUBASAモデル」と名付けられている。
策定にあたっては、2020年から有識者による委員会で内容を協議。
県教委が項目を整理し、5月27日に正式に策定された。
県教委は5月28日に報道陣に内容を説明した。
再発防止に向けた主な取り組みとして、教職員はこのモデルの趣旨を理解した上で、児童生徒を指導するという宣言書を任意で提出。
懲戒処分を受けた場合、誓約書の提出と1年間の事後研修が義務付けられる。
管理職に対しては児童生徒や保護者から不適切な指導の申し出があった場合、その教職員をただちに部活動から外すよう求めている。
県教委では不適切な指導に対応する服務管理監5人が中心となってモデルを推進し、児童生徒や保護者からの相談窓口も設ける。
県教委 教職員課 大森健一服務管理監
「(モデルを)つくって終わりではないということで、まずは実践をして改善し、見直しをしていく」
午後に開かれた臨時の校長会議には、県立学校の校長など115人が出席し、はじめに県の佐藤一男教育長があいさつした。
県教委 佐藤一男教育長
「岩手モデルの最終目的は、全ての児童生徒が安心していきいきと学校生活を送れるようにすること。児童生徒のかけがえのない命が奪われるようなことが二度と起きないよう、不適切な指導の根絶に向けて全校長先生方のご協力をお願いします」
このあとモデルの具体的な内容について非公開で説明が行われ、内容を共有した。
雫石高校の校長
「教職員、特に管理職の責任の重さというものを改めて感じています」
平舘高校の校長
「生徒が安心して学校生活に取り組める環境を教職員全員で作っていきたいと改めて考えたところです」
モデルの策定を受け、新谷さんの父親・聡さんは岩手めんこいテレビの取材に対し、「これから現場で再発防止につながる運用をしてもらいたい。自死事案は風化させてはならない」と話している。
県教委では外部の専門家にモデルの推進状況をモニタリングしてもらうほか、必要に応じて内容の改正も図っていくとしている。
——
カテゴリ
はじめてこの事件を知った方へ。
時系列で整理しますと。
まずこの男は2008年に盛岡第一高校でパワハラの限りを尽くして、生徒とご両親から訴訟を起こされます。
2008年、岩手県立盛岡第一高のバレーボール部顧問が男子部員に暴言や暴力行為を行ったとして、元部員と両親が県と教諭に約200万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
2017年、盛岡地裁は教諭の一部の指導を不法行為と認め、県に慰謝料など20万円の支払いを命じた。
訴訟の最中、この教師は何食わぬ顔で不来方高校に転属し、そこでも生徒に対して暴言を繰り返します。
そして2018年7月、暴言に耐え兼ね、バレーボール部の男子生徒が自殺します。
不来方高校で生徒が亡くなっても、この教師は部活の指導を行ってました。
前任校の生徒から告訴され仙台高裁で係争中の男性教諭に部活動の指導を続けさせた県教委について、亡くなった生徒の父親は刑事告訴を検討開始します。
岩手県立盛岡第一高の元生徒と両親が起こした裁判で、仙台高裁は県に20万円の支払いを命じた1審盛岡地裁判決を変更、40万円の支払いを命じました。
裁判の結果が出てやっと「減給1か月」の処分です。
裁判と減給1か月は、盛岡第一高時代についての判決で、こちらの書類送検は不来方高校で生徒を自殺まで追い込んだ暴行についてです。
第三者委員会の調査がやっと終了。結果が待たれます。
ですが、の結果、信じがたいことにとなりました。
生徒自殺の「原因の一つ」にこの教師の指導があると第三者委員会は認めましたが、どう考えてもこの教師が元凶であって「原因の一つ」ではないです。
2020年12月には、盛岡第一高時代に被害にあった生徒の両親と、不来方高校で息子さんを自殺で喪った両親が、この教師の懲戒免職を求めました。
そして2022年7月に、やっと教師の責任が認められ、となりました。
最後までは報じられませんでしたが。