いじめ問題:「墨塗り開示は不当」 NPOが城陽市教委に異議申し立て /京都

いじめ問題:「墨塗り開示は不当」 NPOが城陽市教委に異議申し立て /京都
毎日新聞 2013年1月17日(木)15時50分配信

 城陽市教委が市立小中学校のいじめ問題の公文書を墨塗りして開示したのに対し、「府教委が市教委の同じ公文書を公開しているのに、市教委が理由を示さず、全面開示しないのは不当」として、同市のNPO法人「行政監視機構」の半田忠雄理事長がこのほど、市に異議申し立てをした。府と市の情報公開条例には、共に住民への「情報提供」の努力義務規定があり、府教委は例外的で簡素な「情報提供」を適用して全面開示。これに対し、同市教委は適用せずに部分開示にとどまっており、弾力的な運用が求められそうだ。【村瀬達男】
 問題の公文書は、各自治体が毎年、いじめや生徒間暴力などについて文部科学省に報告する「09年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」。同NPOは昨年10月4日、市に情報公開請求し、市は11月16日、「いじめを認知した学校数」(8小学校、3中学)など校名や個人名の記載がなく、数字が並ぶ表38カ所を墨塗りで開示し、理由は「市情報公開条例7条1項」とのみ記載した。
 これに対し、同NPOは最高裁判例(85年1月22日)は「求められる趣旨にかなった理由付記がない場合、その行政処分は手続き上のかしがある」と判示したと指摘。「市が非開示理由の内容を示さないのは不適切」として異議を申し立てた。
 市条例7条1項は「国や府の指示で公にできない情報」を指す。「国の指示」の内容について、市教委は取材に「国の調査には統計法が適用され、市民への情報公開も目的外使用に当たる」と説明。市条例20条に正式な情報公開手続きに基づかない「情報提供」規定もあるが、市は実施していないという。
 これに対し、同NPOに全面開示した府教委は「市教委の判断は間違いではない」とする半面、「府民の便宜を考え、個人・法人情報や法令秘情報以外は所属長の判断で情報提供の形で公開している」と説明している。
1月17日朝刊

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