県教委 いじめ対応マニュアル配布 静岡
産経新聞 2013年1月30日(水)7時55分配信
いじめや体罰が全国的に大きな問題になる中、県教育委員会を中心に「いじめ対応マニュアル」が作成され、29日から各市町教委などへの配布が始まった。また、同日開かれた第三者の専門家で構成される県教職員コンプライアンス委員会では、教師による体罰の事案と根絶への取り組みが報告された。県内ではここ数年、教職員の不祥事も相次いでおり、各教委では不祥事根絶を目指すとともに、いじめや体罰を未然に防ぐ対策を強化して信頼回復を図っている。
いじめ対応マニュアルはこれまで、各市町教委や各校で独自に作成した例はあるが、県教委が中心となってマニュアルをまとめたのは初めて。
内容は、これまで行われてきた未然防止法や対応策をまとめたものだが、県教委学校教育課の担当者は「改めてマニュアル化することで、オール静岡でいじめに取り組む姿勢を示した」と話した。
また、29日に開かれたコンプライアンス委員会では、平成20〜22年度に、県内で生徒への体罰によって懲戒処分となった教諭が6人いたことが報告された。23、24年度には体罰による懲戒処分はない。
内訳は、全員男性教諭で、高校が5人、中学が1人。処分対象となった6件のうち5件が、部活動中に起きていた。具体的には、生徒の顔をたたいてけがを負わせたり、4年間にわたって複数の生徒に平手で顔をたたくなどの体罰を加えた事案があった。
県教委では「体罰はいかなる経緯があっても許されない」としており、大阪市立桜宮高校の体罰が問題になった後の今月10日、県高校長協会の会合の場で、体罰根絶の徹底を図るよう注意喚起している。