「大津方式」のモデルケース、今後に生かせ 大津中2自殺

「大津方式」のモデルケース、今後に生かせ 大津中2自殺
産経新聞 2013年2月1日(金)10時0分配信

 大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題の実態解明に向け、外部有識者による第三者調査委員会が12回の会合を通じてまとめた報告書で、曖昧な表現を避け、「いじめが要因」とする明確な結論づけを行ったことは、一定の役割を果たしたと評価できる。

 市教委の調査の不十分さを踏まえ、第三者委は越直美市長の肝煎りで問題の解明に取り組んだ。委員構成は遺族に配慮し、6人のうち教育評論家の尾木直樹氏を含む半数の3人を、遺族推薦で選出。これまでも、他地域のいじめが疑われる問題で第三者委が設置された例はあったが、遺族の推薦は初のケースだった。

 しかし、市教委から第三者委に提出された資料にはプライバシー保護を理由に生徒の名前などが「黒塗り」で出されるなどし、各委員は「真相解明を妨げている」と批判した。

 文部科学省の調査では、平成23年度に自殺した小・中・高校生は全国で200人。このうち115人は要因が不明で、いじめが理由とされたのは4人にとどまり、自殺の実態解明が進んでいないのが現状だ。遺族側に配慮して委員構成にまで参加してもらうなどして、遺族を含む多くの関係者に聞き取りを行った結果、自殺をめぐる背景を詳細にあぶり出していった「大津方式」が今後、全国のモデルケースとなりうるか。

 かけがえのないわが子を失った遺族の苦しみを少しでも和らげるため、報告書が今後のいじめ調査や防止に生かされることを期待したい。(浜田慎太郎)

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