深刻な「いじめ・体罰」相談、1年で4358件

深刻な「いじめ・体罰」相談、1年で4358件
読売新聞 2013年3月1日(金)12時14分配信

 昨年1年間に全国の法務局に寄せられた学校でのいじめや体罰に関する相談のうち、人権侵害の疑いがあるとして同局が調査に乗り出した深刻な事案が過去最多の4358件に上ることが、1日の法務省の発表で明らかになった。

 いじめ自殺や部活動での体罰が社会問題化する中、相談件数も増え続けており、同省は4月から人権擁護委員を増員して対応にあたる。

 同省人権擁護局によると、昨年のいじめの相談は統計を取り始めた2001年以降で最も多い1万4746件。このうち、人権侵害の疑いがある事案は、前年比20%増の3988件に上った。

 「携帯電話に自分の悪口が何百行も書かれたメールが送られてくる」

 昨夏、ある法務局に女子中学生から手紙が寄せられた。すぐに人権擁護委員が「勇気を持って相談してくれてありがとう」と返信し、本人や親への聞き取りを開始。学校側にいじめの疑いがあることを伝えた。学校による調査の結果、複数の同級生によるいじめが確認され、指導によって解消されたという。

 いじめでは、ほかにも「上履きを隠された」(小学生女児)、「学校に相談しても、きちんと説明してもらえない」(小学生女児の親)といった相談が寄せられ、法務局職員らが当事者や学校に聞き取り調査して、話し合いの場を設けたり、学校側に対応を促したりした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする