京都衛生学園に損賠命令 経営難隠しで地裁判決

京都衛生学園に損賠命令 経営難隠しで地裁判決
京都新聞 2013年3月27日(水)23時49分配信

 経営難で授業できなくなるのを隠して学生募集を続けたとして、京都衛生専門学校の入学予定者ら93人が同校を運営する学校法人「京都衛生学園」(京都市南区)に入学金や授業料など計約1億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、京都地裁であった。冨田一彦裁判長は同法人などに計約8100万円の支払いを命じた。
 冨田裁判長は、学校の校舎と土地を競売に掛けられた後の2009年2月、裁判所から不動産引き渡し命令を受けた時点で、学校側は次年度に授業を行えなくなることを認識したと指摘。それにも関わらず入学予定者らに「立ち退きの強制執行はない」と虚偽の説明をしたり、入学試験を実施して入学金を徴収するなど不法行為があったと認定した。
 その上で「原告らは入学の準備を進めていたのに急きょ、学校を閉め出され、進路変更しなければならなくなった」とし、入学金や慰謝料などを原告全員に支払うよう命じた。
 判決によると、同法人は30億円超の借金を抱えて経営難となり、09年1月、校舎と土地の所有権が京都地裁の競売で民間会社に移った。同年4月、地裁から立ち退きの強制執行を受け、授業を行えなくなった。
 京都府教育委員会によると、同校は現在、休校状態という。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする