<いじめ意識調査>佐賀県、5月にも実施 小中学生対象に
毎日新聞 2013年4月8日(月)2時31分配信
全国で深刻ないじめが問題になる中、佐賀県内の公立中学が加入する「県中学校生徒指導連盟」が、同県の小中学生を対象に、いじめを受けても親や教師に相談できない子供の気持ちや教師に求めることなどを尋ねるアンケートを実施する。被害を申告させる従来の調査では、いじめが起きる背景や子供の心情が十分くみ取れないと考えたため。県全体でいじめに特化した意識調査をするのは全国的にも珍しいという。
同連盟が佐賀大や国立教育政策研究所(国研、東京都)の協力を得て調査する。対象は、小学校が国公立の6年生、中学は国公立全てと私立1校の3年生で、計約1万8000人。5〜6月に実施し、10月までに集計する方針。原則無記名。
調査を提案した佐賀市立川副中学校の池之上義宏校長らによると、質問は20項目を想定している。「誰にも相談していない理由」「どんなことにストレスを感じているのか」−−などで、いじめが発生した際に加害者、被害者、傍観者のどの立場になった経験があるかも尋ねる。
アンケートを基に、いじめが起こる背景や、周囲に助けを求められなくなってしまう理由といった根本的な原因を分析していくという。
文部科学省は昨年、大津市の生徒自殺問題を機に全国でいじめの実態調査をしたが、池之上校長は不十分と訴える。「深刻な状態にある子供は、報復や家族が心配することを恐れ、申告すらできないこともある」と潜在化しているいじめを懸念。「いじめが深刻化する土壌を把握することが重要」と語る。
いじめ問題に詳しく、今回の調査にも携わる佐賀大の松下一世准教授(人権教育論)は「加害、被害を問わず、子供が何に困っているかを知ることが大切。授業改革や相談態勢の充実、教員と児童・生徒の関係改善といった対応策について各学校の教員が議論する呼び水にしたい」と話している。【蒔田備憲】