体罰:県公立校、29件 教諭28人を処分–県教委調査、中間報告 /石川
毎日新聞 2013年04月20日 地方版
県教委が県内の公立学校を対象に行った調査の結果から、昨年4月?今年1月、22校の男性教諭28人が平手で殴るなどの体罰を行っていたことが19日、分かった。体罰として報告され、処分の対象となったのは29件で、児童・生徒53人が被害を受けた。体罰を行った教諭は同日までに減給から口頭注意までの処分を受けた。【丹下友紀子】
この日の県教委会議で、1〜2月に行った体罰実態調査の中間報告があった。報告された体罰の内訳は、小学校が2校で2件、中学校は7校で8件、高校は13校で19件。体罰の態様は「素手で殴る(平手打ちを含む)」が22件、「殴る蹴る」が4件–など。
具体的な事例では、昨年5月、県中部の30代の男性高校教諭が、授業中に男子生徒のほおを平手で殴り、鼓膜を破るけがを負わせたケースがあった。また、県中部の中学校の40代の男性教諭は、顧問をしていた野球部の部活動中、部員の練習態度が悪かったなどの理由で、11人に対し、バットで尻をたたくなどした。体罰は常態化していたという。
体罰が行われた場面別では、部活動中の12件が最も多く、授業中が7件、休み時間が6件と続く。県教委は19日までに29件の体罰について、教諭を処分した。内訳は、減給が1件▽戒告3件▽文書訓告7件▽口頭注意などが18件。
体罰の調査は、大阪市立桜宮高校で昨年12月に生徒が体罰問題で自殺した事件を受け、文部科学省の求めにより全国で実施。県内では、小中高校と特別支援学校計368校を対象に調べた。県教委は今後、生徒や保護者へのアンケートなども加え、4月末までに同省に最終報告する。