<大阪市立桜宮高>バスケ部元顧問を在宅起訴 傷害と暴行罪

<大阪市立桜宮高>バスケ部元顧問を在宅起訴 傷害と暴行罪
毎日新聞 2013年7月4日(木)16時55分配信

 大阪市立桜宮(さくらのみや)高校バスケットボール部主将の男子生徒(当時17歳)が体罰を受けた翌日に自殺した問題で、大阪地検は4日、当時の部顧問、小村基(こむらはじめ)元教諭(47)=懲戒免職=を傷害と暴行の罪で在宅起訴した。地検は、顧問と生徒という主従関係の下、日常的に体罰を繰り返していた点を重視、公判請求が必要と判断した。

 自殺した生徒への体罰を巡り、教諭が起訴されるのは異例だ。公判では、体罰の実態や自殺との因果関係がどこまで解明されるか注目される。

 起訴状によると、小村被告は昨年12月18日、学校体育館での練習試合中などに男子生徒の顔や頭を平手で数発殴打。同22日の練習試合でも顔や頭を十数発たたき、唇などに3週間のけがをさせた、とされる。地検は認否を明らかにしていない。

 小村被告が日ごろから執拗(しつよう)な暴行を繰り返し、遺族の処罰感情も強いことから、地検は書面審理だけの略式起訴ではなく、公開の法廷での審理が必要と考えたとみられる。

 この問題は今年1月、大阪市教委が公表した。橋下徹市長の意向で、市教委は今春入試で同高体育系2学科(定員120人)の募集を中止、普通科に振り替えた。同高改革担当の市教委顧問に前女子バレーボール日本代表監督の柳本晶一氏を迎え、来春に体育系2学科を統合した新しいスポーツ専門学科を設置することも決めた。

 小村被告は19年間、同高男子バスケ部を指導、過去5年で3回のインターハイ出場に導いた。地検によると、今の職業は生花業のパート従業員。【堀江拓哉、原田啓之】

 ◇桜宮高校生徒の自殺問題

 バスケットボール部主将だった男子生徒が昨年12月23日早朝、自室で首をつって自殺しているのを家族が見つけた。生徒は前日、練習試合でのプレー内容などを理由に小村基被告から体罰を受けていた。調査した大阪市の外部監察チームは生徒が主将に就任した昨年9月以降、小村被告から叱られることが増え、日常的に理不尽な暴力を受けたことが自殺の大きな要因になったと認定した。

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