“いじめ対策ビジネス”拡大の兆し
東スポWeb 2013年9月17日(火)14時13分配信
予算が増えた分だけ、新手の犯罪も――。文部科学省は8月末、2014年度予算の概算要求で、いじめ防止策費用として、今年度の1・7倍の93億円を盛り込む方針を決定した。今後は、民間での“いじめ対策ビジネス”が拡大しそうだが、そこで流行しそうなのが「元校長、元教頭の行政書士」だという。見ぬふりや隠蔽(ぺい)には詳しそうな行政書士だが…。さらに、いじめを食い物にする詐欺が既に現れているという。
いじめには学校や教育委員会による隠蔽がつきまとうという。
広島県廿日市(はつかいち)市で5月、市立中3年の女子生徒(14)が自殺した問題で、原因としていじめの可能性が浮上し、学校側がいじめを認めたのは8月半ば以降のことだった。同じ部活動をしている後輩らが「いじめがあった」と顧問に知らせたにもかかわらず、学校側が部員の保護者に「広げないでほしい」などと、口止めと取れる電話をしていた。
さらに遺族から提供された女子生徒の手書きメモを、市教育委員会が調査委員会へ提出するのを怠っていたことが9月14日に分かった。
後を絶たない学校でのいじめに対し文科省は、来年度予算の概算要求で93億円を防止策の推進費用として盛り込む方針を決めた。13年度の実に1・7倍の規模になる。6月にいじめ防止対策推進法が成立したことで大幅増となった。
一方、多額の資金が投入される場所には、金もうけにさとい業者や詐欺師が目をつける。すでにいじめ対策業界には、金目当ての魑魅魍魎(ちみもうりょう)が集まっているという。
狙い目は問題の法的処理。いじめで被害を受け、損害賠償請求訴訟をするにしても、証拠を固めなければ勝つことはできない。
受験生などの学生生活に詳しい「絶対合格有限会社」は、「いじめと自殺、あるいはいじめと登校拒否の因果関係、いじめとうつ病の因果関係等の調査が必要です。しかし、敵対する学校や教育委員会、行政サイドは不都合な情報を開示しません。いじめ被害者の親族が、加害者周辺から情報収集するにも限界があります。弁護士は依頼者である被害者サイドから与えられた材料を書類にまとめるだけで、警察やマスコミのように調査はしません」と指摘する。
「いじめが深刻化・事件化する前に、公正証書として作成するいじめ示談書が、行政書士の新しいビジネスになりつつあります。しかも公務員を一定期間務めると行政書士の資格は無試験で取得できる。教育公務員(国公立学校の教諭)の中でも校長、教頭などは無試験で行政書士になれる。そういう教師OBの稼ぎ口として、示談書作成がはやるでしょう」(同)
いじめを把握できず、口止めしてきた教師が、いじめのプロとして行政書士になり、示談書を作成するとは冗談のような話だ。
一方、今回、冒頭のいじめの口止めが発覚したことで分かるように、学校ぐるみで隠蔽されがちだ。そこにつけ込み、被害者・加害者の両サイドをだます“いじめ示談金詐欺”も行われてもいるという。
「悪質な探偵業者やコンサルタントなどが、いじめの示談書の捏造などの詐欺をはたらいているようです。示談金を払っても実質和解しない詐欺。被害者側としては告発すると子供が二次的に傷つくので、親は泣き寝入りです。加害者側も体面を気にする親は、もし自分の子供が加害者として関わっていたとしたら、警察ざたになったり、校内で悪いイメージになるので“お金で解決できるなら”と思うこともあります。こういう親心につけ込むんです」(同)
いじめ問題はまだまだ各方面に波紋を広げそうだ。