「いじめ防止法」で学校の対応は変わるか?
ベネッセ教育情報サイト 2013年11月19日(火)10時15分配信
子どもをいじめから守るための法律「いじめ防止対策推進法」が、9月28日に施行された。これを受け、文部科学省から全国の教育委員会などに通知されたのが、法律の具体的な運用方法などを示した「いじめ防止基本方針」だ。その内容について、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に伺った。
■「いじめ防止基本方針」とは?
法律や文科省の基本方針を総合すると、公立学校では主に次のようになります。
●各学校は、いじめ防止の取り組みなどの「学校いじめ防止基本方針」を必ず定める。策定には保護者などにも参画してもらい、策定後は公表する。
●各学校は、複数の教員、心理や福祉の専門家、弁護士、医師、警察経験者などによる「いじめ対策委員会」を必ず設置する。同委員会は、いじめの通報や相談などの窓口ともなる。
●各学校は、いじめがあると思われる時は、速やかに事実関係を確認し、措置を講じるとともに、その結果を教育委員会に必ず報告する。
●各学校は、いじめの定期的なアンケート調査や教育相談を実施し、いじめを訴えやすい体制を整える。
●子どもの心身の安全や財産に関わる「重大事態」が発生、または発生する恐れがあれば、ただちに警察に通報し必ず援助を求める。
●「重大事態」の申し立てがあった場合、その時点でいじめはないなどと考えても、「重大事態」として教育委員会に報告し、調査する。
■各自治体が委員会設置を条例で制定する必要が
学校がいじめ防止基本方針を策定するには、文科省の基本方針に沿って各自治体がそれぞれ基本方針を定めておくことが実質的に必要となります。さらに文科省は、即時対応ができるよう第三者委員会を常設しておくことが「望ましい」としていますが、このためには各自治体が委員会設置を条例で制定する必要があります。
保護者は、地元自治体がいじめ防止基本方針を策定しているか、第三者委員会を常設しているかなどを、きちんと見ておく必要もあるでしょう。
出典:[ベネッセ教育情報サイト]