「事件を思春期の子どもたちに伝えることが大切」赤ちゃん雪に埋めた殺害容疑で24歳母親逮捕 予期せぬ妊娠など孤立する妊婦の背景にあるものは 宮城・塩釜市

1月11日、宮城県塩釜市で自分が出産した女の赤ちゃんを雪に埋めて殺害したとして、母親が逮捕された事件で、塩釜市は母親の事件につながる兆候などを把握していなかったことが分かりました。 ■行政は「兆候」つかめず 殺人の疑いで逮捕された塩釜市北浜2丁目の派遣社員、佐藤つなみ容疑者(24)の身柄は22日朝、仙台地方検察庁に送られました。 警察によりますと、佐藤容疑者は1月11日朝、自宅で出産した生後間もない女の赤ちゃんを自宅から20mほど離れた屋外で雪に埋めて殺害した疑いが持たれています。 今回の事件について、妊娠、出産や子育てを支援する塩釜市子ども未来課は、母親の事件につながる兆候などは把握していなかったとしています。また、今回の事件を重く受け止め、二度と同じようなことが起こらないよう部署内で話し合うとともに、妊娠・出産を一人で悩まないよう支援態勢をさらに強化していくとコメントしています。 警察の調べに対し、佐藤容疑者は殺意について「パニックになった当時はそこまで考えられなかった」と否認していて、警察は、引き続き、動機などを調べています。 ■事件の背景に何が考えられるのか… 詳しい経緯はまだ明らかになっていませんが、県助産師会は、こうした事件の背景には経済的な問題や家庭環境など複雑な課題が入り混じっているケースが多いと話し支援の難しさを指摘しています。 県助産師会の塩野悦子代表理事です。今回の事件について「あってはならないこと」と話します。 県助産師会 塩野悦子代表理事: 「本当に悲しいことだと思う。こんなことは決してあってはならない。こういう事件も起きているということを、なるべく思春期の子どもたちの理解力に合わせた状態で伝えることが大切だと実感している」 事件の詳しい経緯はまだわかっていませんが、佐藤容疑者は自宅で一人で出産し、家族も妊娠を知らなかったと見られています。 ■孤立する妊婦、その背景にあるものは… 予期せぬ妊娠や未成年での妊娠など様々な事情を抱え、出産前から特に支援を必要とする妊婦は「特定妊婦」と呼ばれます。しかし、誰にも相談できず医療機関を受診しないまま孤立化し支援が行き届かないケースも少なくありません。

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