教え子論文を無断使用 早大准教授を停職処分へ

教え子論文を無断使用 早大准教授を停職処分へ
産経新聞 2015年11月12日 7時55分配信

 早稲田大商学学術院の50代の男性准教授が発表した論文に、教え子の修士論文からデータなどを無断使用する不正行為があったことが11日、大学関係者の話で分かった。産経新聞の取材に対し、男性准教授は「不適切な点があった」と不正を認めた。早大は停職4カ月の懲戒処分とする方針。

 大学関係者によると、問題の論文は男性准教授が平成25、26年に発表した計4本。企業の経営戦略などに関する内容で、うち2本は「日本経営学会」の会誌に掲載され、残る2本は大学が発行する紀要(論文集)に掲載された。

 無断使用があったのは、企業の事例研究データを掲載した部分やデータを分析した部分。男性准教授の教え子で当時、修士課程だった学生3人の修士論文に含まれる内容とほぼ同一だった。

 男性准教授の論文には引用や謝辞などの表記がなかったという。

 早大は昨年夏に問題を把握し、学内に調査委員会を設置。調査の結果、男性准教授が論文を単独で発表することは教え子に知らされていなかったことなども判明した。これを受け、調査委は4本の論文について「出典を明示せずに他人が発表した資料を盗用する著作権侵害があった」などとして、研究不正を認定したという。

 男性准教授への処分については今年10月、教授会で停職4カ月とする原案が決定。理事会を経て正式に決まるという。

 産経新聞の取材に対し、男性准教授は「(教え子との)共著にしたかったが、(投稿先から学生を著者とすることへの)制約が厳しくて実現できなかった。修士論文と関連するのは間違いないが、表記上どう書けばいいか分からなかった。不適切な点があり、注意怠慢だった」と話している。

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