女性を違法にあっせんしたとして、スカウトグループ「アクセス」幹部らが逮捕された事件で、女性の売り上げの一部を性風俗店側から受け取る「スカウトバック」について、グループが複数の方法で受け取っていたことが捜査関係者への取材で分かった。架空会社の「私書箱」にも現金が郵送されていたといい、警視庁は、入出金記録の残る口座以外の受け取り方法を設けることで、違法な収益を隠す狙いがあったとみている。 保安課によると、アクセスは遠藤和真容疑者(33)=職業安定法違反罪で起訴=がトップで、全国に約300人が所属。2019~24年に46都道府県の約350店舗に女性をあっせんし、約70億円のスカウトバックを受け取っていたとみられている。 このうち少なくとも約7億円については23年1月以降、東京都渋谷区のコンサル会社「EBCD」の口座に振り込まれていた。同社はアクセスの窓口として、提携風俗店の開拓や、店とのトラブル対応を担っていたという。 一方、捜査関係者によると、スカウトバックの多くは実態のない会社の私書箱にレターパックで送られ、最終的に遠藤容疑者の自宅に届いていた。一部はスカウトに支払われていたが、捜索時、自宅から現金数千万円が見つかったといい、同庁は資金の使途を詳しく調べている。 同課は3日、遠藤容疑者らと共謀して20代女性を大分県別府市の風俗店に紹介したとして、同社代表の村上裕太容疑者(33)=東京都中野区=を同法違反容疑で逮捕したと発表した。同課は村上容疑者をアクセスのナンバー2とみている。(吉村駿)