横浜流星主演で、数多くの浮世絵や小説を世に送り出したメディア王・蔦屋重三郎の、波乱万丈の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。2月9日放送の第6回「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」では、重三郎が鱗形屋で新しい本作りに取り掛かったところで、思いがけないトラブルが発生。この事件を通じて、鱗形屋孫兵衛が重三郎に果たした役割について考えてみた。 ■ 蔦重と青本を作る鱗形屋、一方で…第6回あらすじ 重三郎は板元になる第一歩として、地本問屋・鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)の元で働きはじめた。孫兵衛から派手に当たる本を求められた重三郎は、江戸っ子たちから「おもしろくない」と見向きされなくなっている青年向けの本「青本」を、とびっきりおもしろいものにすることを思いつく。もともと青本は孫兵衛の祖父が作り上げたものということもあり、孫兵衛はその提案に食いつき、共同作業を進めていく。 一方で孫兵衛は、節用集(国語辞典)の偽本(海賊本)に手を染め、それを密かに大名家に収めていた。その頃幕府では、将軍・徳川家治(眞島秀和)が「日光社参」を執り行う意向を見せる。多くの大名や旗本に負担を強いる行事のため、田沼意次(渡辺謙)は中止の嘆願書を集めるが、家治は嫡男・家基(奥智哉)がそれを望んでいて、反対する意次を奸賊(かんぞく)と思っていると諭し、意次は社参を受け入れざるをえなくなるのだった・・・。