「安心・安全」を削除 滋賀県教委 学校教育重点項目

「安心・安全」を削除 滋賀県教委 学校教育重点項目
2009年2月7日9時19分配信 京都新聞

 滋賀県教委が県内の全教員に示す来年度の学校教育の重点項目から「安心・安全な学校づくり」が消えることが6日、分かった。県内では昨秋から、学校内で児童・生徒が危害を加えられる事件が相次いで発生。国も昨年、子どもを狙う事件への対策を強化した学校保健法を改正したばかりだ。時流に逆行する姿勢だが、県教委は「重要性は理解している。教員向け冊子を作成する際、予算減でページを削らざるをえず、やむを得ず外した」と説明している。
 「学校教育の指針」は、教育の重点目標や推進の基本項目などを記し、年度初めに教員に配布する。本年度は「安心・安全」のほか「学力の向上」や「いじめのない学校づくり」など重点12項目を挙げている。
 県教委によると、県財政窮迫による予算減で、来年度は4ページ削減しなければならなくなり、「安心・安全」の項目を外し、11項目にしたという。
 5日に開かれた定例教育委員会では、「安心・安全」の項目を削除することに疑問視する声が上がった。担当の学校教育課は、予算削減を理由に挙げて、「『開かれた学校づくり』の項目で対応できるという判断で削除した」と説明したが、一方で「読みやすくするため」として、製作費が増えるカラー刷りを採用している。
 県内では、昨年11月、大津市の中学教諭が生徒の制服を盗んで逮捕され、学校内で盗撮までしていたことが発覚。さらに、県内の県立高と小学校で児童・生徒に危害を加える事件が相次いで起こり、学校の安全性を求める声が上がっている。
 県教委は「誤解を受ける部分はあるかもしれない。各市町教委担当者に指針を配布する際、説明をしたい」としている。
 ■船木正文・大東文化大文学部准教授(教育法学)の話 開かれた学校づくりと学校の安全・安心の両立は難しい。地域は大事だが、ほかの要素も必要で、私たちは子どもたちが自ら安全・安心をつくるイメージで研究している。昨年、学校保健法が改正され、安全管理に防犯・防災の観点が盛り込まれた。その意味では、滋賀県教委の対応は国の施策に逆行しているといえる。

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