不正採用教員21人採用取り消し 大分教員汚職

不正採用教員21人採用取り消し 大分教員汚職
2008/08/29 21:10更新 産経新聞

記事本文 教員汚職事件を受け、大分県教育委員会は29日、昨年の教員採用試験で、不正な点数操作により合格した教員21人を特定、採用を取り消す方針を決めた。不正は一昨年の試験でもあったとされるが、県教委は裏付けが不十分として取り消しを見送った。採用取り消しとなる教員はすでに教壇に立っており、過去に例のない大量の採用取り消しの異常事態に、教室の混乱を避ける対応が求められる。

採用取り消しとなるのは、小学校教員が14人、中学校が6人、養護教員が1人。採用取り消し対象の教員が希望すれば、臨時講師として雇用するとしている。

 不正のしわ寄せで本来の得点を減点されるなどし、不合格となった19年の受験者についても希望を確認した上で、10月以降に新たに採用する。

 18、19年の採用試験では、元義務教育課参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で起訴=が受験者の点数を改竄(かいざん)、計40人近くが不正合格したとされ、県教委は江藤被告のパソコンのデータを分析し、19年試験分は受験者の本来の得点や改竄の過程が特定できたという。

 18年の不合格者には救済の機会を与えるため、特別試験を実施し、合格者を来春採用する。17年以前は資料が廃棄され、不正が証明できないとしている。

 記者会見した小矢文則教育長は「取り消し対象者には丁寧に説明し、学校現場に混乱がないようにしたい」とし、自身の責任は「一連の不祥事の全体像がまだ見えていないので、それまで待ちたい」と述べた。

 また教員21人の採用取り消し方針を受け鈴木恒夫文部科学相は29日、「『清く正しく生きなさい』と教えるべき教育の責任者が不正をした。予想以上の数だ。取り返しがつかない。怒りを覚える。子供に悪影響を残すことだけは避けてほしい」と述べ、教委に調査結果の詳細な報告を求め、指導も辞さない考えを示した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする