バス横転 球児一人死亡 大分・柳ケ浦高 開会式向かう途中 45人重軽傷
2009年7月11日15時40分配信 産経新聞
11日午前8時半ごろ、大分県日出(ひじ)町の大分自動車道日出ジャンクション付近で、夏の甲子園を目指す全国高校野球選手権大分大会の開会式に向かっていた私立柳ケ浦高(同県宇佐市)の野球部員らが乗ったバスが横転した。地元消防などによると、部員の奈良県桜井市出身で2年の吉川将聖君(16)が死亡し、45人が負傷して病院に搬送された。負傷した生徒のうち、2人が重傷という。
県警は自動車運転過失致傷容疑で、バスを運転していた同校教諭で野球部副部長の不破大樹容疑者(26)=同市江須賀=を現行犯逮捕した。
県警などによると、バスには計47人が乗車。不破容疑者は右側の側壁にぶつかりそうになったため、左にハンドルを切ったところ、左側の側壁に衝突。これに驚いて右にハンドルを切ったが、右側の壁に衝突し、弾みでバスが横転したという。
バスは車体左側を下にして横転、生徒ら数人が投げ出された。当時は雨が降り霧が立ちこめた状態だったという。県警は状況などを詳しく調べている。
同校によると、部員らは午前8時ごろ、大分市内の野球場で開かれる開会式に向けて学校を2台のバスに分乗して出発。
横転したバスには控え選手の部員が乗っていた。開会式には、別のバスに乗っていたレギュラー選手が出場した。
事故現場は、佐賀県鳥栖市の鳥栖ジャンクションを起点に、大分市の大分米良インターチェンジを結ぶ大分自動車道の日出ジャンクション付近の高架部分。進行方向に向けて緩やかに左にカーブしている。
同校は明治43年に裁縫学校として創立。看護学科と普通科があり、普通科にはスポーツ優良者を育成する体育進学コースがある。
野球部は全寮制で、部員約80人の大半は県外出身者。これまでに夏の甲子園に8回、春に2回出場し、平成6年夏にはベスト4入りを果たすなど強豪校として知られ、OBにはプロ野球巨人の脇谷亮太内野手や、横浜の山口俊投手らを輩出した。柔道部やサッカー部も全国大会への出場経験がある。
県高校野球連盟によると、13日午後に同校の初戦が予定されているという。