元大阪高検公安部長の三井環さん死去 80歳 検察の裏金疑惑告発

検察の裏金疑惑を告発し、収賄容疑で大阪地検特捜部に逮捕されて実刑判決を受けた元大阪高検公安部長の三井環(みつい・たまき)さんが1月9日、死去した。80歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻厚子(あつこ)さん。 三井さんは松山市出身。1972年に検事になり、高知、高松両地検の次席検事などを経て、99年、大阪高検公安部長に就任した。 情報提供者への謝礼などに使うべき調査活動費が幹部の飲食代などに流用されているとして、「検察の裏金」について実名での告発を準備していた2002年、特捜部に詐欺や収賄などの疑いで逮捕された。 「逮捕は実名告発の口封じだ」と公訴棄却などを訴えたが、1審・大阪地裁は懲役1年8月の実刑を言い渡した。08年に最高裁で上告が棄却され刑が確定、収監された。 出所後、特捜部の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件で検事総長ら事件当時の幹部を刑事告発。講演などで検察の裏金や捜査の問題点を指摘し、古巣の検察との対決姿勢を取り続けた。

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