ミャンマー国境にある特殊詐欺の拠点で拘束された日本人の36歳の男が、渡航前に札幌市内のラーメン店で現金を盗んだ疑いで逮捕されました。 窃盗の疑いで逮捕されたのは、住所と職業が不詳、宮下将宏容疑者36歳です。 宮下容疑者は、去年11月、当時働いていた札幌市中央区のラーメン店で、店に保管していた現金3万4000円を盗んだ疑いが持たれています。 警察によりますと、宮下容疑者は、この窃盗事件の2~3年前からラーメン店で働いていて、店から通報を受けた警察が防犯カメラの分析や同僚の店員などへの聞き取りなどから、宮下容疑者の容疑を固め、逮捕状を取って行方を追っていました。 そして2月にミャンマーの特殊詐欺の拠点で拘束されていることが判明し、1日タイから日本に移送された宮下容疑者は、成田空港に向かっていた機内で逮捕されました。 取り調べに対し、宮下容疑者は「金に困り店の金に手を出した」と話し、容疑を認めているということです。 宮下容疑者は、2月中旬、日本の友人に詐欺への関与をほのめかす通話をしていたことがわかっています。 (HBCが入手した宮下容疑者の音声データ) 「まぁ…正直言うとグレーな仕事なんだけど…(グレーなの?)グレー」 「最初5000円振り込ませて、6500円返して、『あ、ここは本当に返ってくるんだ』と思わせて、どんどん、ちょっとずつ搾り取ってくみたいな。そういう手口だわ。絶対言うなよ」 宮下容疑者は、2日北海道に移送される予定で、警察は窃盗事件の経緯とともに、ミャンマーの特殊詐欺拠点の実態についても調べを進める方針です。