東京・霞が関の経済産業省前で、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)がなたで切り付けられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された無職宮西詩音容疑者(30)が「幼少期から政治家に対する不満があった」と供述していることが1日、捜査関係者への取材で分かった。 東日本大震災や東京五輪・パラリンピックを挙げ、政治への不満から殺意を抱くようになったという話もしており、警視庁捜査1課は勾留期限の4日に向け、詰めの捜査を進めている。 捜査関係者によると、宮西容疑者は「幼少期から政治家に対する漠然とした不満があった」と供述。東日本大震災に触れ「政治は国民を見捨てた」、新型コロナ下での東京五輪・パラリンピックについて「大惨事が起きていたのに開催を強行した」などと話し、「五輪の頃から政治家に漠然とした殺意を抱くようになった」と語っている。 立花氏については「2019年の参院選で初当選した頃は期待したが、国民のために何もしてくれなかった」と説明。今年1月、自殺したとみられる元兵庫県議の男性について、「亡くなったのは立花氏のせいだという報道を見て殺意が確定的になった」と話しているという。 同容疑者は小中高校時代を東京都武蔵野市で過ごしたとみられ、大学生の頃からは母親とその再婚相手と共に盛岡市内で暮らした。5年ほど前に杉並区久我山のアパートで1人暮らしを始めた。取り調べには淡々と応じ、動機などを順序立てて説明しているという。 事件は3月14日夕に発生。立花氏は頭部や耳に深い切り傷を負い、1カ月の重傷と診断された。