酒気帯び運転の懲戒免職元教諭:県に不服申し立てへ 処分修正望む /山梨
2009年10月3日13時1分配信 毎日新聞
8月に酒気帯び運転をしたとして懲戒免職処分を受けた県立かえで支援学校の厚芝勘二元教諭(44)=甲州市塩山上於曽=が、来週中にも県人事委員会に対し、懲戒免職処分の修正を求めて不服申し立てを行うことが分かった。関係者が毎日新聞の取材に対し明らかにした。【中西啓介】
厚芝元教諭は8月5日午前7時50分ごろ、乗用車を運転中に自宅近くの市道交差点(信号機なし)で、自転車に乗っていた中学生に軽傷を負わせる交通事故を起こした。日下部署員が調べたところ、基準値を上回るアルコールが検出され、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕された。これを受け、県教委は同12日付で、厚芝元教諭を懲戒免職にした。
関係者によると、厚芝元教諭は中学部の生徒たちの間で教育熱心な教員として知られていたという。処分決定直後から、教え子や保護者たちが処分の減軽を求める会をつくり、署名活動などに取り組んでいる。支援者らは、飲酒後一晩たっていて基準値をわずかしか上回っていないことや、厚芝元教諭に酒気帯び運転の認識がなかったことなどから、「処分は重すぎる」と訴えている。また、厚芝元教諭自身も懲戒免職を修正し、教員として現場復帰を望んでいるという。
公務員の酒気帯び運転処分を巡っては、厳罰化を求める世論から一律懲戒免職とする自治体が増えている。一方で、懲戒免職は退職金もない重い処分のため、飲酒事故で処分を受けた元職員が自治体を訴える訴訟が各地で起きている。9月の名古屋高裁判決など、処分の取り消しを命じる判決が相次いでいる。
10月3日朝刊