和歌山県立医大も不正経理 5年で1370万円
2009年11月11日更新 紀伊民報
和歌山県立医大は10日、男性教授(63)が国からの委託費を業者にいったん預け、納品書と別のものを購入するなどの不正な経理をしていたと発表した。不正額は2003〜07年度で1370万円。県立医大は、ほかの国庫補助事業約600件、合計13億円についても不正がないか調査している。
県立医大は昨年3月に会計検査院に不正の疑いを指摘され、委員会を設置して調査した。今回明らかになったのは、文部科学省の試験研究費。不正支出は委託費のほぼ全額で、県立医大はすでに国に返還した。
県立医大によると、教授は研究用の消耗品などについて、発注物品が納入されていないのに、代金名目で一定額を業者に預け、翌年度以降の物品購入費にしていた。手続きをすれば翌年度に繰り越せるが、年度内に使用しなければならないという意識があったという。裏金や私的流用はなかった。
会計検査院は02〜07年度の文科省の研究委託費や補助金についても調査を指示した。毎年約200人の研究者がかかわっている。調査段階で一部に「預け」の疑いがあるという。県立医大は本年度中に調査を終え、関係者の処分とともに公表するとしている。
県立医大は再発防止策として、本年度内に研究者と業者を対象に、不正防止の規程を制定。10年度から専門職員を配置し、定期的に監査を行う内部監査室を設置する。研究費についての説明会も従来の2倍以上に回数を増やす。
会見した南條輝志男理事長は「県民の皆さまに誠に申し訳ない」と謝罪。再発防止の徹底を誓った。