福井県内の特殊詐欺被害額、過去最悪ペース…県警「危機的状況」 今年1~3月で7310万円

福井県内の特殊詐欺被害が増加傾向にあることを受け、福井県警は今年1~3月の被害状況をまとめ4月11日、公表した。認知件数は17件、被害額は約7310万円で、被害額は過去最悪だった2014年の約2億8540万円を上回るペース。県警生活安全企画課は「危機的状況だ。詐欺は身近に起きている。自分ごととして考えてほしい」と呼びかけている。 同課によると、今年の被害17件の主な内訳は、親族や警察官などを装い金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」が10件で被害額約6700万円、「キャッシュカード詐欺盗」が3件で約440万円、架空料金請求が3件約170万円の被害となっている。 年代別では80代が7件、70代3件、40、60代が2件ずつなど。被害のきっかけとなったのは固定電話への架電が8件、携帯電話が7件、携帯電話のショートメッセージが2件だった。 手口としては、警察官をかたり「あなたに逮捕状が出ている」などと言って現金をだまし取る手法が12件で、7割を占めた。3月には県外の警察本部の代表電話番号が表示された電話で約700万円がだまし取られる被害もあった。 県警が被害者に対して行った聞き取りでは、詐欺の手口を知らなかった人が約8割だった。被害者の声としては「詐欺のことは知っていたが、まさか自分のところにかかってくるとは思わなかった」「LINE(ライン)で警察手帳や逮捕状を見せられ、本物の警察官と信じてしまった」「大手企業や官公庁の名前を言われて信用してしまった」などがあった。 同課は、最新の情報を掲載している県警防犯アプリ「ふくいポリス」の利用を呼びかけているほか、「会話の内容がおかしいと思った場合、電話を切って最寄りの警察署に相談してほしい」と話している。

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