鳴門教育大が残業代不払い、労基署が是正勧告

鳴門教育大が残業代不払い、労基署が是正勧告
2009年12月1日15時49分配信 読売新聞

 徳島県の鳴門教育大が、付属特別支援学校(徳島市上吉野町)の教諭に残業手当を十分支払っていないなどとして、徳島労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。

 同労基署は時効前の過去2年分について、12月25日までに人数や合計額を調べ、支払うよう指摘した。全国の大学で残業代不払いが発覚しているが、同大では初めてで、「実態を調べ、残業代の不足分はきちんと支払う」としている。

 大学によると、11月6日に労働基準法違反の疑いで同労基署の査察を受け、27日に学長あてに勧告書が出された。勧告では同校の教諭について、▽休憩を十分に取れていない▽超過勤務手当が適正に支給されておらず、過去2年分を調べて支払うこと――などと指摘されたという。

 同校は小、中、高等部に児童、生徒が計61人おり、教諭は30人。勤務は午前8時半〜午後5時15分で、通常、45分間の休憩時間を取らないといけないが、6時限ある授業や給食指導に追われ、まとまった休憩を取りにくいという。

 残業代について、同大は「教員から申請があった分は支給している」としているが、放課後に生徒宅を家庭訪問するなどで申請がないケースは、把握しきれていないという。旧国立大は2004年の法人化後、労基法の対象になり、京都大、大阪大、神戸大を始め全国で教職員への残業代の不払いが発覚、同様の是正勧告で不足分を支給している。

 鳴門教育大は、08年9月にも、小学校などを含めた付属学校の教諭らの勤務実績をきちんと把握するよう同労基署から指導を受けた。同大経営企画本部は読売新聞の取材に、「大学として改めて実態を調査し、勧告を受けた点は改善したい。結果は公表する」とした。同労基署は「個別の事案については答えられない」としている。

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