元小学教諭強制わいせつ:控訴審 弁護側「量刑不当」主張 検察、棄却訴える /広島
2010年1月20日16時1分配信 毎日新聞
小学校の校内で複数の女児に性的暴行を繰り返したとして、強姦(ごうかん)罪や強姦未遂罪などに問われ、1審・広島地裁で懲役30年を言い渡された元教諭、森田直樹被告(44)=住所不定=の控訴審初公判が19日、広島高裁(竹田隆裁判長)であった。
控訴した弁護側は事実誤認や法令適用の誤りなどから量刑不当を主張した。検察側は控訴棄却を訴えた。
森田被告は控訴理由について「判決文で行為の内容や時間帯、被害者の名前に間違いがあった」と述べた。写真をばらまくなどの脅迫はなかったと説明したうえで「被害者や保護者に苦しいつらい思いをさせ、重い罪を犯した」と述べた。
意見陳述では、被害者の母が「30年の期限付きで許されると思っているのですか」と述べ、娘が「軽すぎる。なんで死刑じゃないの」と母に語ったことを明かした。「(森田被告は)社会復帰のことばかり話すが、私たちの肉体的、精神的ショックは大きい。『もう二度と』という簡単な言葉ではすまさないで」と涙ながらに語った。判決は3月18日。
広島地裁の判決によると、森田被告は01〜06年の間、強姦46件や強姦未遂11件などを繰り返した。判決では「教師という立場を最大限悪用した比類なきほど悪質な犯行。鬼畜にも劣る浅ましい蛮行」と断じた。【井上梢】
1月20日朝刊