「国歌斉唱で起立」初の職務命令 拒否の4教諭処分へ 府教委
2010年3月15日15時50分配信 産経新聞
大阪府立高校の卒業式で、校長が教諭に対し国歌斉唱の際に起立するように職務命令を出したにもかかわらず従わなかったとして、府教委は15日、教諭4人に対し処分を行う方針を明らかにした。
国歌斉唱をめぐり、府立高校や府立支援学校の職員に、起立を求める職務命令が出されたのは初めてという。
この日の府議会常任委員会で明らかにされた。
府教委などによると、職務命令が出されたのは大阪府寝屋川市の府立東寝屋川高校。学校統合により今年度で閉校されるため、3年生しか在籍していなかった。
卒業式前日の今月8日、校長が3年生を担当する教諭9人に対し国歌斉唱の際に起立するように指導したが、拒否する教諭もいたという。このため、校長が「職務として起立するように」と職務命令を出したが、9日の卒業式では9人中4人が起立しなかったという。
府教委は「命令が出されているにもかかわらず起立しなかったことは重い」として処分内容を検討。中西正人教育長は「新年度の入学式でも課題のある学校には職務命令を出すことも辞さない厳しい態度で臨む」としている。
府教委は、府立高校の今年度の入学式・卒業式での国歌斉唱・国旗掲揚について「100%の学校で実施された」としているが、ほかの学校でも国歌斉唱時に起立しなかった教諭がいたという。