静岡・無資格講師授業:最長540時間、補講指導−−静岡医療学園に厚労省 /静岡
2010年3月26日10時19分配信 毎日新聞
◇卒業生ら190人、不満の声も
柔道整復師を養成する「静岡医療学園専門学校」(静岡市駿河区)で04〜07年度にかけ、無資格講師による授業が行われていた問題で、厚生労働省東海北陸厚生局は同校に対し、卒業生ら約190人に最長のケースで約540時間の補講の実施などを求める行政指導を行った。指導は24日付。ただ、当時の在校生は卒業してから長時間の補講を受けるよう迫られ、どのように消化するのか、難題を抱え込んだ。
厚労省は08年10月、無資格講師に関する学校関係者からの情報提供などを踏まえ、今月10日、同校に立ち入り調査し実態を調べた。
その結果、同校には04〜07年度、計13人の無資格講師がいたことが判明。このため補講が必要な対象者は卒業生と中途退学者で計約190人と分かった。補講が必要な時間は入学年度で違い、入学が04年度だと約450時間、05年度で約540時間、06年度で約120時間とした。
厚労省は今回の指導で、同校に補講実施計画書のほか、今後の学校の管理・運営体制に関する改善計画書の提出も要求した。厚労省は「県と協力し学校への調査を頻繁に行うなど指導を強化したい」と話した。
同校の赤羽勝雄校長は「指導に誠実かつ真摯(しんし)に対応し、適正な学校運営に努める」とのコメントを発表した。
一方、長時間の補講を迫られた卒業生らからは不満の声が上がった。
厚労省の同校への指導で、約540時間の補講が必要だと指摘された20代の男性は「接骨院で働いており、補講を受ける時間はない。学校を信じて3年間で400万円以上の授業料を払ったが、返してほしいくらいだ」と声を荒らげた。こうした事情から同校は、補講を受ける時間のない卒業生らには通信教育などで対応することも検討している。【浜中慎哉】
3月26日朝刊