<甲府市教委>被害報告書、不明に 当時の担任提出

<甲府市教委>被害報告書、不明に 当時の担任提出
毎日新聞 2010年12月28日(火)2時33分配信

 部活動の教え子の女子生徒にストーカーまがいの行為を繰り返した甲府市立中学の50代男性教諭に対し口頭注意にとどまっていた問題で、市教委による注意前に担任が生徒の被害内容をまとめた報告書を市教育委員会に提出していたことが分かった。市教委によると、報告書は現在「行方不明」で、処分に報告内容が反映されたかは「不明」という。市教委は報告書の取り扱いなど当時の対応を調べる。

 市教委は今月21日の毎日新聞の報道を受けて再調査を開始。教諭本人や同僚への事情聴取の過程で、担任が昨年3月に当時の学校教育課長に報告書を出したものの、なくなっている事実をつかんだ。

 報告書には、昨年1~2月の間、教諭からの度重なるメールや高圧的な指導に生徒がおびえ、教諭の担当する理科の授業は保健室で自習していることが記されていた。報告書は事態を重視した担任が同3月に独自にまとめたという。

 また、市教委は再調査で初めて生徒側と接触。その結果、生徒が部活に参加できなくなったことから、教諭は別の女子部員に手紙を渡し、生徒に参加するよう説得させようとしていたことも確認した。この際、部員の保護者が教諭の一連の行為について「異常な事態だ」として学校に抗議。教諭は校長らの前で「今後一切、生徒に接触やメールをしない」との念書を書いていたことも分かった。

 市教委学校教育課の平井政幸課長は「入院している当時の課長から可能なら事情を聴きたい」と話している。市教委は改めて処分を行うため、近く山梨県教委に再調査結果を報告する。県教委の指針では、ストーカー規制法に違反する行為は懲戒処分の対象になる。【中西啓介】

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