阪大が特任教授を解雇、告訴 研究費不正経理で、家族の海外旅行に流用
産経新聞 2011年3月31日(木)10時0分配信
大阪大学大学院医学系研究科の森本兼(かね)曩(ひさ)特任教授(64)が文部科学省などからの研究費の不正な経理を行い、一部を私的流用していた問題で、阪大は30日、森本特任教授を今月8日付で解雇とし、28日に詐欺罪で大阪府警に告訴したと発表した。解雇に併せ、数千万円の退職手当全額の返還も求めている。
阪大によると、森本元特任教授は同研究科の教授を務めていた平成16〜21年度、カラ出張や架空の伝票操作による物品購入などの行為を繰り返し、公的研究費計約4200万円を不正に使用。うち約450万円を家族の海外旅行費用などに流用していた。
森本元特任教授は22年3月に教授を定年退職し、同年4月から特任教授として採用された。阪大は「法律上、教授時代の不正を特任認教授の就業規則で処分できない」とし、懲戒処分は見送った。