震災募金しない生徒を黒板に張り出す…秋田の中学教師

震災募金しない生徒を黒板に張り出す…秋田の中学教師
スポーツ報知 2011年5月21日(土)8時2分配信

 秋田県大館市の市立中学校で東日本大震災の義援金を募り、締め切り日の今月17日になっても募金しなかった生徒の名前を、学級担任が黒板に掲示していたことが20日、分かった。保護者の抗議を受け、翌日撤去。学校側は「懲罰や見せしめという意味ではない」と釈明している。

 大震災の被災地への義援金を募ったのはいいが、募金しなかった生徒の名前をクラスメートに公開するとは明らかにやりすぎ…。被災者も決して喜ばない騒動が、同じ東北地方の中学校で発生した。

 大館市立第一中学校の説明によると、義援金を募って被災地に寄付する計画は、生徒会のボランティア委員会が発案。4月28日の生徒総会で全校生徒510人に対して呼び掛け、反対意見が出なかったため承認された。

 募金は1人200円以上を条件に、1〜3年の各5クラスで今月11日から受け付けを開始。そして、締め切り日となった17日朝、寄付をしない生徒に対し、2年2組と同5組の担任教諭が「ボランティア委員会も頑張っているんだ」などとして、未提出の生徒名を一覧にしたプリントを黒板に掲示。氏名が張り出された生徒は、2クラスで約20人だった。

 ところが、18日夕方になって保護者から「なぜ義援金の提出を強制するのか。それに、出さない生徒の名前を掲示するとはどういうことだ」と抗議の電話があったため、学校側はすぐに撤去。名前が掲示された生徒のうち約15人は、寄付金を提出した。同校の菊地俊策校長は「(掲示したのは)懲罰や見せしめという意味ではない。協力しようと(いう趣旨で)呼び掛けたのだが、配慮を欠いた指導だった」と話している。

 この問題を受け、大館市教育委員会は「募金は自発的なものであるべき。また、名前を掲示するのは配慮が足りていない」とし、20日には同中関係者に聞き込み調査を行った。担当教諭の処分などは検討していない。

 大館市立第一中学校では昨秋、当時3年の男子生徒が自宅で自殺。両親は「学校でのいじめが原因」と訴えたが、学校側が否定したため、第三者機関に調査を申し立てた。

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