減給、戒告で上告審弁論 国旗国歌訴訟
産経新聞 2011年12月12日(月)12時3分配信
卒業式などで国旗に向かっての起立や国歌を斉唱しなかったのを理由に、職務命令違反で戒告、減給の懲戒処分を受けたのは不当だとして、東京都の公立学校の教職員ら167人が処分の取り消しを求めた訴訟の上告審弁論が12日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)で開かれ、判決期日を来年1月16日に指定した。
最高裁は通常、2審の結論を変更する際に弁論を開く。処分を取り消し、原告側逆転勝訴となった3月の東京高裁判決が見直される可能性がある。
国旗国歌をめぐる職務命令違反では、2審が停職を妥当した別の訴訟も11月に上告審弁論があった。一連の訴訟の判決で、処分の在り方の方向性が示されそうだ。
弁護側はこの日の弁論で「大量の懲戒処分は児童、生徒の教育環境にも暗い影を落としている。懲戒処分は裁量権を逸脱したもので、2審判決は妥当」と主張し、結審した。
2審判決は通達について「思想良心の自由を侵すものではない」と違憲性を否定したが、都の懲戒処分は「社会通念上、著しく妥当性を欠く」として処分取り消しを決めた。
2審判決によると、教職員らは平成15〜16年の卒業式など学校行事で校長の職務命令に反し、国歌斉唱時の起立などをしなかった。