寄付金を不適切に受領 和歌山県立医大「私的流用はなし」

寄付金を不適切に受領 和歌山県立医大「私的流用はなし」
紀伊民報 2012年2月8日(水)16時54分配信

 和歌山県立医科大学に在籍していた元教授が在任中に民間の医療機関から現金を受け取っていたとされる問題で、同大学は8日、元教授が正式な受け入れ機関を通さずに寄付金を受領していた事実があったと発表した。一方で、寄付金の私的流用や特定の医療機関に対する優遇措置は認められなかったとした。

 元教授は1999〜2005年に在籍し、同大学の腎臓内科・血液浄化センターのセンター長を務めていた。同大学では当時、財団法人「和歌山県医学振興会」が寄付金を受理し各医局に配分していた。

 大学は現金受領の疑いがあるとする一部報道を受け、1月6日に調査委員会を設置して、関係者への聞き取りなどの調査をした。

 調査委員会は調査の結果、元教授が在任中に関連医療機関から寄付金を受領し、大学会計ではない医局会計に入金していたとした。当時の医局費出納帳がなく、金額や使途など詳細を特定できなかったと説明した。

 また、同センターに所属する秘書と研究生の給与を関連病院が肩代わりしていたとする問題については、1998〜2010年に他の医療機関に雇用されている状態でセンターの秘書業務に従事していた事実があったとし「大学が雇用すべきだった」と指摘。研究生の給与問題については学則に基づいており、問題がなかったとした。

 調査委員会は医局会計の透明性を高めるための改善策などを行うよう大学に提言。板倉徹理事長は「教員の処分については学内規定に基づき、教育研究審議会で検討したい。誠に残念で遺憾に思う。調査委員会の提言を真摯(しんし)に受け止め、大学改革を進めていきたい」と話した。

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