大津市 いじめ自殺 7月4日分

<大津の中2自殺>生前に自殺練習強要
毎日新聞 7月4日(水)2時31分配信

 大津市で昨年10月、同級生からいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自宅マンションから飛び降り自殺した問題で、学校が全校生徒に実施したアンケートに対し、15人の生徒が「自殺の練習をさせられていた」と回答していたことが3日、関係者への取材で分かった。市教委は昨年11月の記者会見でこの事実を明らかにしていなかった。

 男子生徒の両親が今年2月、大津市や加害生徒3人と保護者を相手取り、約7720万円の損害賠償を求めて大津地裁に提訴。5月の第1回口頭弁論で市はいじめがあったと認めたが、「いじめを苦にしての自殺と断じることはできない」と主張していた。両親の代理人はアンケートの回答について、17日に開かれる第2回口頭弁論に提出する準備書面で主張する。

 アンケートは男子生徒の自殺後にいじめについて実施し、約320人が回答した。15人の生徒は「自殺の練習とか、トイレで殴られていたとか、死んだスズメを口の中に入れろと言われていた」「何回も自殺の練習をさせられていた。先生に相談したけど何もしてくれなかった」などと回答。「昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」「がんの友達に自分の命をあげるなどと言っていたらしい」との回答もあった。

 また、13人が「友達なのにお金を恐喝されていた」「脅して銀行の番号を聞き出し、その銀行からとったお金を使っていた」と回答、15人が「万引きを強要されていた」と書いた。

 男子生徒は昨年10月11日朝、自宅マンション敷地内で倒れているのが発見され、滋賀県警大津署が自殺と断定した。学校側は当初「いじめは把握していない」としていたが、全校生徒へのアンケートでいじめの事実が判明した。

 これまでに明らかになったのは、ヘッドロックをかける▽トレーニングと称して押さえ込む▽毎日のようにズボンをずらす▽蜂の死骸を食べさせようとする−−などで、担任が目撃していたが、軽い注意にとどまっていた。

 市立中の教頭は「アンケートをしたのは事実。訴訟中であり、コメントは差し控えたい」と話した。【村山豪、石川勝義、千葉紀和、加藤明子】

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自殺練習させられた 大津いじめ訴訟、両親書面提出へ
京都新聞 7月4日(水)10時29分配信

 大津市のマンションで昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、自殺はいじめが原因として、男子生徒の両親が市や同級生らに計約7700万円の損害賠償を求めた訴訟で、男子生徒側が「同級生らに自殺の練習をさせられていた」と主張する書面を提出することが3日、訴訟関係者への取材で分かった。
 訴訟関係者によると、男子生徒の自殺後、学校が生徒に対して行ったアンケート調査で、生徒15人が「(男子生徒は)昼休みに毎日、自殺の練習をさせられていた」などと回答した。
 ほかにも恐喝や金品の要求については13人、万引きの強要については15人が具体的に言及していると指摘。「執拗ないじめは自殺に追い込むのに十分で、いじめ以外に自殺の原因は存在しない」と主張する。
 また、男子生徒側が訴状で「教員らがいじめを見逃した」と主張した点についても、15人が「(男子生徒が)泣きながら学校に電話したと聞いた」「先生も見て見ぬふりだった」などと答えたと述べている。市側は訴状に対する答弁書で「どの教員がいつ、どこでいじめを見逃したのか示されていない」と反論していた。
■真実追求への冒瀆
 教育評論家の尾木直樹法政大教授(臨床教育学)の話 これだけの生徒の回答がありながら事実を一切隠してしまうのは、真実の追求に対する冒瀆(ぼうとく)だ。勇気を出して告白した生徒を裏切るようなあるまじき行為で、調査を打ち切ってしまうのも常識的な判断能力が喪失しているとしか言えない。同様の事件は何回も繰り返されてきたが、何の教訓も得ていない。

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「自殺練習」発覚に抗議電話殺到  滋賀・大津市教委
産経新聞 7月4日(水)11時57分配信

 滋賀県大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した直後、学校側のアンケートに15人の生徒が「死亡した男子生徒が自殺の練習をさせられていた」などと答えていたことが発覚した問題で、4日、同市教育委員会には「ちゃんと説明してほしい」などとする電話が相次いだ。

 市教委によると、電話は始業の午前8時半ごろから相次ぎ、10件以上に達した。「市も事情があって対応が大変だろう」とする電話もあったが、ほとんどが抗議で、市教委の説明責任を求めるほか、「きちんと認めたうえで謝罪して」とする内容もあったという。

 男子の両親が今年2月、いじめが自殺の原因だったとして大津市やいじめ行為をしたとする生徒などに約7720万円の損害賠償を求め提訴しており、市教委学校教育課は「訴訟中でコメントできない」としている。

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大津市教育長「隠蔽でない」 中2「自殺練習」公表せず
産経新聞 7月4日(水)15時12分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、学校側のアンケートに生徒15人が「死亡した男子生徒が自殺の練習をさせられていた」などと答えたことを公表していなかったことついて、同市の澤村憲次教育長は4日、「隠したとは思っていない。(回答した生徒が)直接見たわけでなく、事実として確認しきれず、公表しなかった」と釈明した。

 市教委はこの中学校の330人の生徒にアンケートを実施し回答の一部は公表。伝聞など、事実確認できなかったことについては公表を控えていたという。自殺練習について記された回答は伝聞をもとにしたものだったといい、市教委の担当者は「内容から確実性が低いと考えた」と述べた。

 一方、市教委には4日、「ちゃんと説明してほしい」などとする抗議電話が相次いだ。

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生徒15人が証言した「自殺の練習」強要 事実なら「自殺教唆罪」に当たる重大犯罪
J-CASTニュース 7月4日(水)19時32分配信

 滋賀県大津市の私立中学校で、飛び降り自殺した男子生徒(当時13歳)が、いじめた生徒から「自殺の練習」を強いられていたというニュースが2012年7月4日に流れ、ネットが騒然となった。

 いじめを苦に自殺に追い込まれる例は多々あるが、練習をさせていたとなると犯罪であり「自殺教唆」にあたるのではないか、というのだ。

■運動着に小便をかけられ口に雀の死骸を入れられた

 市立中学2年の男子生徒が2011年10月、同級生からいじめを受け自宅マンションから飛び降り自殺した。男子生徒の両親は大津市、加害生徒3人と保護者を相手取り2012年2月に約7720万円の損害賠償を求めて提訴した。市の教育委員会や中学校は、当初いじめはなかったと主張。しかし全校生徒に実施したアンケート結果からいじめがあったことを認めたが、自殺との関連性はわからないと11年11月に発表していた。

 このアンケートは自殺した生徒にいじめがあったかどうかを問うもので、約320人が回答したところ、運動着に小便をかけ臭いと馬鹿にしたり、全裸にして射精を強要したり、雀の死骸を口に入れる、万引きを強要する、などとんでもない内容が明らかになり、新聞などメディアに何度も掲載されることになった。

 2012年5月に行われた第一回口頭弁論で原告サイドは今回のアンケートをいじめがあった証拠として提出したが、裁判官からアンケートの内容を整理して再提出するよう言い渡されたことがきっかけとなり、いじめた生徒が「自殺の練習」を強要していたことがわかった、としている。

■「ここまできたら立派な犯罪だろ、イジメなんて言葉が軽すぎる」

 原告サイドの石川賢治弁護士によれば、自殺の練習を強いていたとアンケートで証言した生徒が15人いて、そこには「何回も自殺の練習をさせられていた」「自殺のやり方を練習するように言われていた」「昼休みに毎回練習をさせられていた」などと書かれていたという。ただし、高いところに登らせて飛び降りるように指示したとか、ロープで首を絞めるための縛り方を教えていたなどの具体的な記載はなかったという。

 「自殺の練習」があったというニュースにネットでは、

  「練習ってどうやるんだよ?」
  「ここまできたら立派な犯罪だろ、イジメなんて言葉が軽すぎる」
  「イジメというより、殺人だろうよこれは」

などと騒然となっている。

 石川弁護士によれば、いじめで自殺の練習が行われたなどということは前代未聞の出来事で、これが事実とすれば、自殺をするように仕向ける「自殺教唆」であり、6ヵ月以上7年以下の実刑になる場合も考えられるという。

  「市はいじめがあったとは認めていますが、いじめと自殺に関連性があったか分からない、と主張しています。しかし、今回の自殺の練習があったというアンケートは、原告側に有利に働くことは間違いありません」

と石川弁護士は話している。第二回口頭弁論は12年7月17日に行われる。

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