大津市 いじめ自殺 7月10日分

<大津いじめ自殺>中学、県庁に爆破予告「謝罪しろ」
毎日新聞 7月10日(火)2時38分配信

 いじめを受けていた生徒が自殺した大津市の市立中学と滋賀県庁に9日、爆破予告などが書かれた封書やはがきが届いたことが関係者への取材で分かった。中学は10日、臨時休校にすることを決めた。県警大津署は業務妨害容疑で調べるとともに、中学や市に警戒を呼び掛けている。

 同署によると、中学宛ての封書には「いじめに関わった生徒と教師はカメラの前で謝罪しろ。さもないと、中学校と市教委と警察を爆破する」と手書きされた文書が入っていた。埼玉県上尾市の5日付の消印があり、差出人の名前と埼玉県とは異なる住所が記されていた。

 県庁には知事宛てのはがきが届き、角張った手書きで「大津市役所と中学校にガス装置と発火装置を仕掛けた。終業式に作動させる」などと書かれていた。「中村」の7日付の消印があり、差出人は中学校に届いた封書とは別の名前、住所だったという。【石川勝義、千葉紀和、村山豪】

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<大津いじめ自殺>調査委設置、遺族に打診せず 市教委
毎日新聞 7月10日(火)2時36分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市教委が原因調査のために第三者委員会を設置する選択肢を男子生徒の遺族に伝えず、内部だけの調査で打ち切っていたことが分かった。文部科学省は、生徒の自殺があった場合に第三者委を早期に設置できるとの通知を出しており、「市教委の対応は指針に反している可能性が高い」としている。

 通知は、文科省が設けた外部有識者会議の1年間の議論を経て昨年6月に出された。自殺があった場合、全教員や在校生から迅速な聞き取り調査を実施。原因が学校に関わる可能性がある場合と、遺族から更なる調査の要望がある場合は、「より詳しい調査」が必要としている。

 その上で、事実の分析評価などに高度な専門性が必要な場合や、遺族が学校や教育委員会が主体となる調査を望まない場合は、「中立的な立場の専門家を加えた調査委員会を早期に設置すること」を求めた。また「遺族の要望・意見を十分に聴取し、できる限りの配慮と説明を行う必要がある」としている。

 今回、学校は生徒の自殺から2日後に遺族と話し合い、全校生徒へのアンケートを決めた。生徒の父親(47)によると、この際に市教委から第三者委の選択肢の説明はなかった。アンケートの内容に納得せず、同10月末に再調査を求めたが、その際も説明はなかったという。父親は「説明があれば外部調査を求めていた。どうして説明してくれなかったのか」と憤る。

 市教委の松田哲男教育部長は「調査方法の提案はしたが、細かな説明が十分ではなかった。2度目は、学校の調査が終わった段階で外部調査をしても自殺との因果関係を知ることは困難だと専門家の助言を踏まえて判断し、遺族には伝えなかった」と話した。

 外部調査委の設置方針を示している越直美市長は「市教委の調査は信用できない。再調査で徹底的に調べたい」と話す。文科省生徒指導室は「事実確認が必要だが、市教委の対応は指針に合っていない。自殺から9カ月もたてば記憶も薄れる。早期に設置すべきだった」としている。【千葉紀和、加藤明子】

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「集団でリンチ」「背中や腹殴打」 大津中2自殺
京都新聞 7月10日(火)8時49分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、市教委は全校生徒を対象にしたアンケートを昨年10月17日から19日かけて行った。約4割に当たる約330件の回答があった。
 市教委は回答を(A)記名で目撃している=65件、(B)記名で伝聞=77件、(C)無記名で目撃している=40件、(D)無記名で伝聞=152件―に分類した。さらに「暴力」「いじめ」「お金」など内容別に12項目に分けた。
 関係者によると、暴力を目撃したとする回答は69件(記名39件)、伝聞は120件(同41件)だった。回答では「体育大会で集団リンチのようなものにあっていた」「教室の隅で背中やおなかを数回殴られていた」などがあった。2学期に入ってから暴行の目撃が多くなっており、夏休みを境に暴行が激しくなった様子も読み取れる。
 自殺の練習や予告に関する回答は伝聞のみで24件(記名6件)。内容は「いじめていた人に『俺、明日死ぬわ』と言っていた」や「今から死んでやるというメールを男子生徒がいじめていた人に送ったと聞いた」などがあった。
 恐喝・金品要求については伝聞のみで17件(記名6件)あり、「銀行の口座から金を奪われていた」や「金の恐喝があった」などと記されていた。
 教員がいじめを見逃していたとする回答は伝聞のみで14件(記名6件)。「担任の先生が同級生の前で『大丈夫か?』と聞いたら『大丈夫』と軽く答えていたらしい。いじめている人の前で聞くのはおかしいと思う」との回答のほか、「先生にも泣きながら電話したそうですが、あまり対応してくれなかった」という記述もあった。
 市は市教委の調査が不十分だったことを事実上認め、有識者による外部調査委員会を立ち上げて再調査する方針を示した。

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「いじめで自殺」訴訟 「過失ない」の大津市側、全面的に争う姿勢変える可能性
産経新聞 7月10日(火)11時58分配信

 滋賀県大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が昨年10月、飛び降り自殺したのはいじめが原因として、両親が加害側とする同級生3人と保護者、市に約7720万円の損害賠償を求めた訴訟で、「いじめと自殺の因果関係は不明で、市に過失責任はない」と全面的に争う姿勢を示していた市側が、17日に大津地裁で開かれる第2回口頭弁論で「答弁書の内容を変更するかもしれない」と地裁に打診することが9日、関係者への取材でわかった。

 民事裁判で裁判所に提出した答弁書の内容を変更するのは異例。越直美市長が6日の会見で、外部有識者による調査委員会でいじめの再調査を行うと表明したため、「調査結果によっては主張が変化する可能性がある」として打診することにした。

 5月22日に開かれた第1回口頭弁論の答弁書で、市側は「いじめを苦にして自殺したとは言い切れない。市に自殺の過失責任はない」と主張。そのうえで「教員のだれがどこで、いかなるいじめを目撃し放置したか、具体的な指摘がない」と、原告側にいじめの日時や場所を特定するよう求めていた。

 調査委の委員選定や開催時期などは未定だが、市側の代理人弁護士は「調査の結果、市に有利になることも不利になることもありうる。それらを含め、改めて市の立場を主張したい」と話している。

 学校側は自殺直後に在校生にアンケートし、市教委が昨年11月に内容を公表。男子へのいじめを認めたが自殺との因果関係は不明としていた。今月に入り、「昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」「先生も見て見ぬふり」など非公表としていた内容が次々に発覚した。

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<大津いじめ自殺>臨時休校で周辺厳戒 爆破予告に県警捜査
毎日新聞 7月10日(火)12時0分配信

 いじめを受けていた生徒が自殺した大津市の市立中学と滋賀県庁に9日、爆破予告などが書かれた封書やはがきが届き、中学は10日を臨時休校とした。登校時間帯の午前8時半前には学校関係者ら約10人が校門周辺で警戒し、県警の捜査員が校内の不審物を捜索するなど、生徒のいない学校周辺は物々しい雰囲気に包まれた。県警は威力業務妨害容疑で調べている。

 市教委によると、休校は9日午後10時過ぎに校長の判断で決定。同日夜や10日早朝に生徒約880人に連絡したが、伝わらなかった生徒約10人が普段通り登校し、警戒中の教員から臨時休校を聞いて帰宅したという。

 学校周辺ではPTAの保護者らも通学路や交差点に立って見守った。午前8時50分ごろには捜査員約20人が校内に入り、学校関係者と共に、草むらに分け入るなどして不審物がないかを調べた。大津署によると、爆発物などは見つからなかったという。

 市教委の葛野一美教育部次長は「(市教委が批判を受ける)こういう状況になっても、学校の子どもたちの安全は別の話だ。本当にこんなことはやめてほしい」と強調した。【千葉紀和、村山豪】

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中2自殺で市教委、遺族に第三者委設置打診せず
読売新聞 7月10日(火)12時39分配信

 大津市立中学2年の男子生徒の自殺を巡り、市教委が全校生徒アンケートなどを基にした内部調査の打ち切りを決めた際、原因調査のための第三者委員会を設置するかどうかを、遺族側に打診していなかったことがわかった。

 第三者委員会については、文部科学省が昨年6月、生徒の自殺に際して遺族が望んだ場合などに「設置するのが望ましい」と都道府県教委に通知していた。同省は「近く市教委から経緯を聞き取る」としている。

 同省によると、生徒が自殺した場合、教諭や生徒らから迅速な聞き取りを行った上で遺族から詳細調査を求められた場合などに「中立的な立場の医師や弁護士等の専門家を加えた調査委員会を早期に設置することが重要」とする通知を昨年6月に出している。

 市教委は「調査打ち切りを決めた際に外部委員会の設置について遺族側に伝えなかったのは配慮不足だった」としている。

 一方、生徒の父親(47)は「学校側や市教委からは一切、外部委員会についての説明は聞いていない。提案があれば設置を求めたはずだ」と憤慨している。

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「調査はいいかげんだった」 大津市長が教育委員会を強く批判
J-CASTニュース 7月10日(火)19時2分配信

 滋賀県大津市の市立中学校で2011年10月に男子生徒が自殺した問題で、大津市の越直美市長が「教育委員会の調査はいいかげんだった」と今回の対応を批判した。

 市の教育委員会は「いじめが自殺の原因かはわからない」「人権的配慮から加害生徒に再度の事情聴取はしなかった」などという釈明に終始しており、一般市民や中学校の生徒からも不信の声が上がっている。

■「新事実が出るまで再調査するだろう」

 12年7月10日の情報番組「スッキリ!! 」(日本テレビ系)で、「市の教育委員会についてどう思うか」という越市長への直撃取材が放送された。市長は、

  「今後は再調査をしっかりやるということだけだと思っています。それでも完全に大津市の教育委員会としても、学校としても、大津市役所としても、市民の方から信頼を失っているという大変残念な状態にあるので、再調査をして…私は今までの教育委員会の調査はいいかげんだったと思っていますし、それをやれば新しい事実が出る、というか出るまでやると思っていますので、それによって今後の信頼を回復するとともに亡くなったお子さんに真摯に報いたいと思っています」

と語った。

 市の教育委員会は男子生徒が自殺した後、生徒にアンケート調査を実施し、「自殺の練習をさせられていた」「万引きを強要させられていた」などの回答を得ていたが、「いじめと自殺との因果関係は不明」「『自殺の練習』が行われた事実はつかんでいない」と説明している。また、加害生徒に「自殺の練習」を行ったか確認しなかったことについては「いじめた側にも人権があり、教育的配慮が必要と考えた。『自殺の練習』を問いただせば、当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった」と歯切れの悪い釈明をしている。

 インターネット上では教育委員会や学校に対して怒りの声が上がっているほか、不信感を募らせた生徒もテレビ番組のインタビューに対して学校の対応などを証言している。

■「問題の根本は教育委員会にあるが…」

 越市長は外部の有識者による調査委員会を設置し、事実関係を調べ直す方針を明らかにしている。7月6日の定例会見では教育委員会の調査方法に対し「実名で回答した生徒に追跡調査で聞いている事実と聞いていない事実がある」と問題点を指摘した。また、涙を流しながら「最初に十分な調査、公表ができていれば、ここまで問題が大きくなることはなかった」と話し、教育委員会の対応が不十分だったことを認めていた。しかし強い口調で批判したという報道は見られず、市長は腰が引けている、教育委員会を守りたいのだろうなどの批判も出ていた。

 これが影響したのか、「スッキリ!! 」放送と同日の7月10日、毎日新聞(電子版)に、越市長が「市教委の調査は信用できない。再調査で徹底的に調べたい」と話したと書かれた記事が掲載されている。

 越市長は12年3月、自殺した男子生徒が通っていた中学校の卒業式に出席し、小学校と高校でいじめを受けていたことを涙ながらに告白していた。小学3年生の時に交換日記に暴言を書かれ、高校1年の時には同級生に昼食の仲間に入れてもらえなかったと話し、通学しようとすると腹痛になったこともあったという。「今までに2回死にたいと思ったことがある」とも打ち明けており、いじめの問題に対しては並々ならぬ気持ちがあるものと思われる。

 越市長は教育委員会への批判を明言したが、市役所全体の認識としてはどうなのだろうか。市の広報課に問い合わせたところ、「この問題の根本は教育委員会にあると言える」と話したが、完全に市長の意見と同一とは言いにくい、といった口ぶりだった。

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大津の中学生自殺は「校内犯罪」だ 暴行、恐喝を「いじめ」とすり替えるな
J-CASTニュース 7月10日(火)19時52分配信

 滋賀県大津市の中学校で2011年10月、男子生徒が自殺した「事件」は、同じ学校に通う生徒たちの証言から陰惨な犯罪の実態が浮き彫りになってきている。

 教育評論家や、息子が自殺した父親はいずれも「いじめというより、これは犯罪だ」と厳しく断じている。

■いじめを理由とした出席停止わずか6件

 「一方的に殴られていた」「火のついたタバコをつけられた」「金を脅し取られた」――。自殺した男子生徒の同級生は、学校側が実施したアンケートにいじめの様子を具体的に回答していた。最近では在校生がテレビの取材に対して、加害者による暴力についてコメントし、続々と詳細が明らかになってきた。

 「これは犯罪です」。NPO法人「全国いじめ被害者の会」代表の大澤秀明氏は、J-CASTニュースの取材にこう断言した。大澤氏は1996年、「いじめ」が原因で息子が自殺に追い込まれるという悲劇に見舞われている。遺書には、同級生に殴られ続け、現金を要求された事実が記されていたという。これにより加害者の生徒2人は保護観察処分となった。

 大澤氏は2012年7月6日に大津市を訪れて、自殺した生徒の父親と対面した。「地元警察から被害届の受理を3回も断られたことに、落ち込んだ様子でした」と話す。そこで滋賀県警に告訴状を持参するように助言したそうだ。

 大津市のケースでは、加害者とされる同級生が「遊びの範囲内だった」と主張。学校側も「仲良しグループだと思っていた」と話したという。だが他の生徒からは、担任に「いじめ」の様子を報告したのに適切な対応をしなかったとの証言も出た。そもそも一方的に殴りつけるのが「遊びの範囲内」とは思えない。

 大澤氏によると、かつては教育の場で「社会的人間の形成」が重視され、いじめが起きても教師が加害者の生徒を叱り、二度と繰り返さないような措置を施して「根元」を断ち切っていた。だが時代とともに「善悪」を教える風潮が薄まり、加害者への措置も講じられなくなったと指摘する。学校教育法では、教育上必要があれば加害者に対して懲戒(11条)や出席停止(35条)を命じられると定める。ところが文部科学省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(2011年8月4日付)を見ると、2010年度に全国の小中学校で出席停止が下された74件中、いじめを理由にしたのはわずか6件。最も多かったのが「対教師暴力」の21件だった。

 文科省は1995年、「いじめの定義」として「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」とした。これを2006年、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と改めた。暴行や恐喝といった犯罪行為が「『いじめ』という言葉にすり替えられ、しかも定義があいまいになっている」と大澤氏。深刻な犯罪の意味合いがぼかされて、「ふざけ合い」「単なるケンカ」として処理されうる流れになってしまっていると憤る。

■教師が隠ぺいに加担したら処罰する条例を

 大澤氏は全国各地でいじめに悩む親子の相談を受けている。自身のつらい体験について、「息子がいじめられていたのを見ていた同級生が担任に報告したにもかかわらず、現場に行かずに放置していたのです」と振り返る。こうなれば、いじめの行為はますますエスカレートしがちだ。「いじめの実態を知ろうとしない。そうしておけば後から『学校側は把握していなかった』と言えるからです」と続け、「これは文科省の方針のせい」と怒りを隠さない。大津市の場合も、学校側は「見て見ぬふりをしていた」と生徒から声が上がっている。市教育委員会はいじめがあったことを認める一方で、自殺との因果関係は「判断できない」としている。

 教育評論家の森口朗氏に聞くと、大澤氏と同様に今回の加害者側の行為を「校内犯罪」と断定する。一方で最近は未成年でも、加害者が罪に問われる事例が「ようやく出てきました」と話す。

 本来であれば、悪質な「いじめ」が発覚したら被害者側と学校が連携して警察に被害届を出すのが望ましいと森口氏。そのうえで、実態を明らかにするために証拠を固めることが重要だという。複数の証拠に基づいて告発すれば、警察も動かざるをえなくなるからだ。

 だが大津市のケースでは、学校側が協力的とはいえない。その場合に被害者側は、マスコミに訴えかけるなど別の方策をとる必要がある。さらに、「都道府県レベルで『いじめ防止条例』のようなものを制定し、教師がいじめの実態の隠ぺいに加担したら処罰する内容を盛り込んではどうでしょうか」とも提案する。学校側に腰を上げさせるためにも、ある程度強制的に「校内犯罪撲滅」への手段が必要というわけだ。

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