自殺の因果関係、小声で相談「わからぬ」市教委
読売新聞 7月11日(水)9時2分配信
大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺したとされる問題で、市教委が10日の記者会見で明らかにした追加アンケートには、いじめのより詳細な内容が記されていた。
「自殺の練習と言って首を絞めた」「葬式ごっこをしていた」。生徒たちの〈告白〉を学校も市教委もいかそうとしていなかった。
「アンケートの重要性についての認識が甘いと言われても仕方がない。深くおわびします」。この日午後8時半から、大津市役所で1時間余り続いた記者会見。沢村憲次教育長らは表情をこわばらせながら追加アンケートについて説明した。
いじめの具体的な内容を示す回答について、約30人の報道陣からは「重要とは思わなかったのか」「市教委が(葬式ごっこなどを)知ったのはいつか」などと矢継ぎ早に質問が出た。市教委側は「学校が(回答を)見落としていた」「市教委が気付いたのは今月6日」などと答えて、学校、市教委の不手際を認めた。
ただ、「葬式ごっこ」があったとの回答について沢村教育長は「(生徒たちが)『自殺の練習』という言葉を伝言する中で出てきたのでは」とし、生徒への聞き取りをもとに、事実ではないとの見方を示した。
自殺といじめとの因果関係を問われると、市教委側は小声で相談。「わからない」「因果関係がないのではなく、わからない」などと繰り返し、「関係がないと言ってるわけじゃない」と語気を強める場面もあった。
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大津市長、遺族と和解意向 因果関係 市教委「判断できず」
京都新聞 7月11日(水)9時49分配信
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、越直美市長は10日夜、「いじめと自殺の因果関係はある」と明言した。因果関係を立証する新しい事実が出るまで外部の調査委員会で調べる方針を示し、「判決を待たずに和解したい」と述べた。
市はいじめと自殺の因果関係や市の過失責任について争う姿勢を見せていたが、越市長はこれまでの主張を一転させた。
越市長が市教育委員会から「首をしめる」「葬式ごっこ」などの具体的な記述について報告を受けたのは9日午後だったという。市教委が事実として確証が得られないと判断したことに対し、越市長は「市教委や学校といった素人が認定したことは信用できない。初めから外部の専門家に調査を任せるべきだった」と悔やんだ。
男子生徒の両親は、自殺はいじめが原因として、市や同級生らに計7700万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こしている。17日に予定されている訴訟の第2回口頭弁論について、越市長は「次回以降の期日の延期を求める。調査委員会の結果が出るまでは市の主張は控えたい」と話した。
越市長が和解の意向を示したことに対し、澤村憲次教育長は11日、「いじめと自殺との因果関係は判断できない」と述べ、従来の市教委の主張が変わっていないことを強調。市と市教委の認識のずれが、あらためて浮き彫りになった。
越市長の意向について、澤村教育長は「(和解の意向は)直接聞いていない」とし、「市長がそう判断したと受け止めるしかない」と繰り返した。越市長が一連の調査で、教諭に聞き取りした議事録を作成していなかったことを指摘した点については、「録音などが必要という認識はなかった」と釈明した。
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自殺練習、葬式ごっこ「見落とした」 大津市教委、学校に責任転嫁「因果不明」
産経新聞 7月11日(水)10時6分配信
「今月6日まで見落としていた」−。大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で10日、初めて明らかにされた2回目のアンケート。「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」という痛ましい記載があったが、市役所で緊急会見した澤村憲次・市教育長が説明した市教委の対応はずさんきわまりないもので、批判が強まるのは避けられない。
緊急会見は午後8時半に始まり、澤村教育長ら市教委幹部が冒頭「調査が不十分」と謝罪。しかし2回目の回答の内容についても「裁判の中で明らかにしていく」などとして一部分しか答えなかったり、「学校としては調査をがんばっていたと思う」と釈明したりする場面もあった。
市教委によると、学校から2回目のアンケートの結果について報告があったのは昨年12月上旬。市教委の学校教育課が確認作業にあたったものの、「市教委が公表の基準とする、いじめの確証が得られる情報がなかった」として、アンケートの存在自体を公表しなかったという。
ところが、今月6日に市教委で改めてアンケートを見直したところ、「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」と具体的な記述を発見したという。なぜアンケートを見直したのかについては明確な説明がなく、会見した幹部からは「学校が『新たな情報』として市教委に報告していなかった」と、学校側に“責任転嫁”するかのような説明もあった。
昨年秋に行った1回目のアンケートで、学校や市教委はいじめの存在を認めながら「自殺との因果関係は不明」と判断。しかし今月に入って「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」、「教諭が見て見ぬふり」−など問題のある回答が含まれていたことや、男子生徒が「暴力」「いじめ」を受けていたとの回答が伝聞も含め計227件にのぼっていたことなどが判明した。ところが市教委側は10日夜の会見でも、「自殺との因果関係は不明」との主張を繰り返した。
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<大津・中2自殺>県警が捜査…近く生徒ら聴取
毎日新聞 7月11日(水)11時36分配信
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、滋賀県警は男子生徒へのいじめや加害行為について、本格的な捜査に乗り出した。計25人の専従捜査班を県警大津署に設置し、11日、校長ら学校関係者や市教委幹部から事情聴取を始めた。今後、男子生徒の同級生や卒業生からも話を聴き、いじめの実態や男子生徒の自殺の原因を調べる方針。【村瀬優子、村山豪、加藤明子、前本麻有】
男子生徒の自殺を巡っては、遺族が3回にわたり、暴行容疑での被害届を出そうと大津署に相談したが、いずれも受理されず、県警に批判が寄せられていた。県警の満重昭男・生活安全部長は「一連の報道などを受けて、実態解明に乗り出さなければならないと判断した」としている。
県警によると、少年事件などを専門とする捜査員らが捜査に当たる。学校と市教委の関係者からは、自殺後に全校生徒を対象に実施したアンケートや市側のこれまでの調査の内容について、事情を聴くとみられる。
アンケートでは、複数の生徒が男子生徒について(1)蜂の死骸を食べさせられそうになった(2)万引きを強要された(3)お金を脅し取られた(4)トイレで殴る蹴るの暴行を受けた−−などと回答していた。また、生徒16人は「自殺の練習をさせられていた」と答えた。
県警は、いじめに関わったとされている生徒を含め、男子生徒が通っていた中学の生徒や教職員からも事情を聴き、加害行為の有無を調べる。暴行、恐喝などの犯罪行為が確認できれば、家裁送致や補導をするとみられる。ただ、アンケートの回答内容には伝聞も含まれているとされており、男子生徒の自殺の原因とともに、慎重に捜査を進める方針だ。
男子生徒の父親(47)は毎日新聞の取材に、「4度目の被害届か刑事告訴をする方向で考えていた。県警の捜査で真実を明らかにしてほしい。亡くなった息子には『正義はあるんやで』と伝えたい」と語った。一方、市教委学校教育課は「捜査にはすべて協力させていただきたい」とコメントした。
男子生徒は昨年10月11日朝、自宅近くのマンション敷地内で倒れているのが発見され、大津署が自殺と断定した。学校側は「いじめは把握していない」としていたが、生徒へのアンケートでいじめが明らかになった。
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滋賀県が緊急対策会議設置 大津中2いじめ自殺
京都新聞 7月11日(水)15時19分配信
大津市で昨年10月に中学生が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題を受け、滋賀県は11日、恒久的ないじめ対策を目指す2つの緊急対策会議を設置した。大津市の県合同庁舎で初会合を開き、県教委が大津市の問題の経緯などを説明した。
県教委や県子ども青少年局など職員7人でつくる「いじめから子どもを守るための緊急対策チーム会議」と、県教委や市町教委、小中高の学校長ら26人による「同緊急対策会議」。
会議では県教委の担当者が、今回の自殺に対する大津市や県の対応を説明。校長の一人から「保護者が心配している。できるだけ早く具体的な対応を出してほしい」との意見が出た。今月下旬に開く2回目の会合で、いじめ対策についての課題を持ち寄って検討し、対策方針をまとめることを確認した。
出席した大津市教委の担当者は「いじめの早期発見や対応に向け、これまで以上に指導を徹底する。今回の調査が適切だったかも含めて検証したい」と話した。
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追加アンケ公表、大津市長が教育長を3時間説得
読売新聞 7月11日(水)15時19分配信
大津市立中学2年の男子生徒の自殺後、市教委が全校生徒を対象に実施した2回のアンケートのうち2回目の追加実施分を公表しなかった問題で、生徒の父親(47)がこのアンケートを公表するよう市教委に求めたにもかかわらず、市教委側が「現時点では公表するかどうか、答えられない」と断っていたことがわかった。
市教委が追加アンケートを初めて明らかにした10日の記者会見も、父親には事前に知らせていなかった。父親は11日に市教委から連絡を受けたが、「本来は遺族への報告が先で、物事には順序があるはずだ」と話している。
父親によると、昨年11月の追加アンケートについては市教委から実施約1週間後に「新しい事実はなかった」と報告を受けただけで、1回目のアンケートの際に受け取ったような報告書は渡されなかったという。
追加アンケートの公表は、越直美市長が9日に「葬式ごっこをした」「『自殺の練習』と言って首を絞めた」などの内容が含まれていたことを知ったのがきっかけ。10日には沢村憲次教育長に対し、公表するよう約3時間にわたって説得。市教委側は同日夜にようやく記者会見を開いたが、父親には連絡しなかった。
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大津・中2自殺:いじめ自殺予防、緊急対策初会合−−きょう、県教委 /滋賀
毎日新聞 7月11日(水)15時34分配信
大津市で昨年10月、同級生からいじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題を受け、県教委は11日、県庁で緊急対策会議の初会合を開く。今月中に自殺につながる重大ないじめの恒久対策方針を決める。嘉田由紀子知事が6日、設置を表明していた。
県教委や子ども青少年局など県庁内の横の連携を深めるチーム会議と、県教委と市町教委、小中学校長会、高校長協会の縦の連携を重視した対策会議の2部構成。今月下旬の第2回会合で大津市教委の担当者が今回の問題の経緯を説明するほか、他の市町教委も事例報告する。会議は2回で終了予定。
学校教育課の平井敏孝主席参事は「大津市の事例は氷山の一角かもしれない。問題意識を共有し、第2、第3の大津を未然防止したい」と語った。【加藤明子】
7月11日朝刊
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自殺との因果関係判断できぬ 大津市教育長主張変えず
京都新聞 7月11日(水)15時59分配信
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、越直美市長が因果関係はあるとして訴訟での和解の意向を示したことに対し、澤村憲次教育長は11日、「いじめと自殺との因果関係は判断できない」と述べ、従来の市教委の主張が変わっていないことを強調した。市と市教委の認識のずれが、あらためて浮き彫りになった。
■市長との認識のずれ浮き彫りに
越市長の意向について、澤村教育長は「(和解の意向は)直接聞いていない」とし、「市長がそう判断したと受け止めるしかない」と繰り返した。因果関係が判断できない理由は「他にもいろんな要素が考えられる」としたが、具体的な内容は明かさなかった。
越市長が10日夜、一連の調査で、教諭らに聞き取りした議事録を作成していなかったことを指摘した点については、「録音などが必要という認識はなかった」と釈明。調査の不備を謝罪した上で、「有識者による外部委員会の調査結果を待ちたい」と話した。
滋賀県警の捜査には協力する方針で、「子どもに混乱が起こらないよう配慮がほしい」と要望した。
■父親「真意見極める」、市長和解方針に
大津市の越直美市長がいじめと自殺との因果関係を認め、訴訟での和解の意向を示したことについて、男子生徒の父親(47)は11日、「和解の内容も提示されていない時点では何とも言えない。こちらの要望をどれくらい受け入れてくれるかなど真意を見極めたい」と話した。
訴訟で市側が「いじめが自殺の原因とは断定できない」と主張し、市の過失責任や因果関係について争う方針を一転させたことには「怒りしかない。市教委と市長で言っていることが違う。市として本当に足並みがそろっているのか」と不信感をあらわにした。
また市教委が2回目のアンケート内容の一部を見落としていたことに対しては「一人の命がなくなった重みを感じていなかったのではないか」と憤った。
9日にも市教委にアンケート結果の開示を求めたが、応じなかったという。
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追加アンケ回答188人、学校調査は2人分だけ
読売新聞 7月11日(水)16時30分配信
大津市教委が実施した追加アンケートで、188人分の回答のうち、学校側が調査をしたのは、2人分の回答だけだったことがわかった。
市教委は「調査が不十分だったと言われても仕方ない」としている。市教委によると、2人が回答したのは同じ内容で、事実確認はできなかったという。学校側は当時、市教委に「新たな情報は確認できなかった」と報告。市教委側もその報告を信用したという。
学校側は残る大半の回答について「1回目アンケートの回答と変わらず、新たに調査が必要とは感じなかった」としているが、「葬式ごっこをした」「『自殺の練習』と言って首を絞めた」などの回答については見落としていたという。
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「葬式ごっこ」など追加アンケートの回答、両親にも伝えず 大津市教委
産経新聞 7月11日(水)19時30分配信
■市教委、両親の要望で実施しながらも「確証得られなかった」
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、10日夜に同市教委が明らかにした2回目の在校生対象のアンケートについて、男子生徒の両親からの強い要望で実施したにもかかわらず、学校側が「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」との回答結果を両親に伝えていなかったことが11日、関係者への取材でわかった。
市教委によると、1回目のアンケートは男子生徒の自殺直後の昨年10月中旬に学校が全校生徒を対象に実施。同11月2日に市教委が記者会見でいじめ行為の一部を認め、調査の終了を決めた。しかし、学校側が10月下旬に両親に調査結果を報告したところ、遺族から「もっと詳しく知りたい」との強い要望が出たたため、急遽(きゅうきょ)予定を変更し、2回目のアンケートを11月1〜4日に実施した。
ところが、学校側は11月下旬、両親にアンケート結果について「新しい内容はない」などと報告。アンケートの中で、1人の生徒が伝聞情報として回答した「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」については説明していなかった。
市教委はこの2つの回答について学校からの説明がなく、今月6日に見つけたとし、9、10両日、記述した生徒に聞き取り調査したが、事実かどうか確認できなかったとしている。
市教委の担当者は、学校側が2回目のアンケート後、2つの回答を両親に伝えなかったことについて「事実かどうか確証が得られた内容ではなかった」と説明している。
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大津市教委はウソつきなのか 「首絞め」「葬式ごっこ」記載に「気付かなかった」
J-CASTニュース 7月11日(水)20時22分配信
滋賀県大津市の市立中学校で2011年10月に男子生徒が自殺した問題で、市の教育委員会は12年7月10日、生徒に対するアンケート調査は1回でなく2回実施していたと発表した。2回目の調査には、「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」という記載もあった。しかし、市教委は事実確認せず、「それに気が付かなかった」というおかしな弁明をした。
さらに越直美市長は市教委と対立する見解を明らかにしており、市教委を「信用できない」という見方は広がるばかりだ。
■「事実の確認もその時点では行っておりません」
大津市教育委員会は7月10日夜に会見を開き、これまで公表していた11年10月実施のアンケートだけでなく、11月にも2回目のアンケート調査を実施していたことを明らかにした。そのアンケートで、いじめの具体的な内容について「自殺の練習と言って首を絞める」「葬式ごっこ」という記載があったが、市教委はそれに「気付かず」、「事実の確認もその時点では行っておりませんでした」と説明した。これほど重要な点を「気が付かなかった」ということは常識的に考えてありえない話だ。
市教委は7月6日に記載に気付き、9日から生徒に対する聞き取り調査を開始したが、記載した生徒は実際に「自殺の練習」や「葬式ごっこ」を見たわけではなかった。また、記載した生徒がいじめの内容について聞いたという生徒に確認したところ「そんなことは言っていない」と否定したため、「自殺の練習」「葬式ごっこ」について事実かどうかはわからないとしている。
記者から改めて自殺といじめの因果関係について問われると、「私どもの認識としては、いじめがありましたということは申し上げております。すでに何項目か公表させてもらっていますが、いじめはありました。自殺も当然、大変なことですが自殺がありました。いじめと自殺とは、まさにこのいじめによってこの自殺があったという、イコールで結ばれるような因果関係そのものが、そういう判断まではできません」と歯切れの悪い答えをした。
■市長・文科相も市教委批判、問題解決に乗り出す
これまでの報道で、中学校の校長が校内放送で「自殺の練習は隠していたのでなく、もともと嘘だ」と泣きながら言ったと生徒が証言していたことがわかっている。しかし、「自殺の練習は嘘だった」のではなく「自殺の練習があったかどうかの確認を怠っており、事実かどうかがわからない」というのが正しいようだ。学校と市教委の対応はあまりに信用ならないものだ。
越市長は11日の会見で、自殺した生徒について「やはりいじめがあったからこそ亡くなったんだろうと思っています」と市教委と対立する考えを示した。また、「いい加減な調査をして事実をわからなくしてしまったというのはまさに学校と教育委員会の責任」と学校と市教委を厳しく批判し、再調査で事実を明らかにした上で遺族と和解したいという考えを述べた。
文部科学省の平野博文大臣も7月10日の会見で、「受け身の仕事はしません。この問題は、命をなくしているわけですから、教育委員会の役割としてどうだったのかということは、文科省としてつかみきれなければ直接やることもあり得ると思います」と、直接聞き取りするなどの対応をとる可能性を示唆した。大津市のみならず中央にも、「教育委員会に任せていられない」という考えが広がり始めているようだ。
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中2いじめ自殺 市役所と中学校を家宅捜索 滋賀県警が暴行容疑で
産経新聞 7月11日(水)20時33分配信
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、滋賀県警は11日、生活安全部に20人体制の専従捜査班を設置し、同日夜、同級生だった同校3年の3人が男子生徒に暴力行為をしたとして、暴行容疑で市役所と中学校を家宅捜索、関係資料を押収した。男子生徒の死亡から9カ月が経過しているが、男子生徒が受けたとされる暴力やいじめについて犯罪性の有無や、自殺との関連を調べる。
男子生徒の自殺後、父親(47)が滋賀県警大津署に被害届を3回提出しようとしたが、同署は「犯罪事実の認定が困難」として不受理。同署の福永正行副署長は「今後も事実関係を明らかにするよう努める」とコメントしていた。
男子生徒へのいじめをめぐっては、学校が全校生徒を対象にアンケートを実施したが、市教委が事実認定したのは「成績カードを破る」「死んだハチを食べさせられそうになった」など。「金品の要求」「万引の強要」などは目撃者がいないとして事実として認められていなかった。
県警は、学校関係者やいじめをしたとされる同級生3人や、いじめ行為を目撃した生徒らから事情を聴き、裏付け捜査を行う。
捜査班には、昨年11月、同県高島市の市立中学校で生徒を全裸にし、写真撮影するなどしたとして、暴力行為法違反と強要の疑いで同級生3人が逮捕された事件を担当した捜査員4人が含まれている。
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加害生徒の親族情報まで出回る いじめ事件対応と何か関係しているのか
J-CASTニュース 7月11日(水)20時42分配信
滋賀県大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、いじめたとされるクラスメートら3人の親族が「地域の有力者」と報じられた。ネット上で様々な憶測が出ているが、真相はどうなっているのか。
「母がPTA会長」「父が京大医学部卒」
いじめたとされる男子生徒3人の一部親族について、週刊新潮は2012年7月11日発売号でこう報じた。
■週刊誌・テレビ報道で憶測広まる
いじめを巡っては、学校が行った全校生徒へのアンケートには、男子生徒を日常的に殴っていたり、死んだハチを食べさせたりするなどの3人の行為が書かれていた。さらに、「自殺の練習」「葬式ごっこ」などの記述もあり、度を超した内容が物議を醸している。
これに対し、大津市教委は、いじめの調査報告書を作成せず、文科省にまで情報が十分に伝わっていなかった。また、「自殺の練習」などの記述について、当時は気づかず事実確認していなかったとし、調べた結果、それが事実であるという判断にはならなかったと説明した。
新潮の記事では、親族にPTA会長らがいたことと、学校や教委の対応との関係にまでは触れていない。一方で、10日夜に放送されたテレ朝系「報道ステーション」では、因果関係をほのめかすような解説がなされた。
被害生徒側からのSOSが市教委に届かず、アンケート結果は隠されていたとして、こう指摘した。
「遺族が口にする不信感 加害者とされる生徒の一部の親族は地域の有力者だった」
ネット上でも、加害生徒の親族について、県警OBがいたといった、真偽の不明な「独自情報」が出回り、様々な憶測がなされている。タレントのデヴィ夫人も、後に削除したものの、こうした情報を元に義憤をぶつけるブログを書いている。
■滋賀県警は「親族にOB」を否定
前出の「報道ステーション」では、夜回り先生として知られる水谷修さんがコメンテーターとして出演し、こう市教委を批判した。
「『万引きしろ』というのは、犯罪の教唆でしょう。あるいは、叩く殴る、もう傷害じゃないですか。警察に通報すら怠って、これはもう隠蔽としか取りようがないですね」
加害生徒の親族に地域の有力者がいたかどうかなどについて、大津市教委に取材すると、担当者が協議中として話が聞けなかった。滋賀県教委の学校教育課では、「親族関係などについては、分かりませんし、個人情報に関わることはお答えできないです」と言うのみだった。
滋賀県警の少年課では、取材に対し、親族に県警OBがいることを否定した。
「ネット上には、OBの名前が挙がっていますが、それは加害生徒の祖父などではなく、まったくの事実無根です。いろいろな電話がかかってきて、本人も迷惑しています。親族に警察関係者はおらず、ですから、圧力などはあるわけがありませんよ」
被害届を受理しなかったことについては、こう説明する。
「処罰できるような明確な資料が整っておらず、関係者から事情聴取しないといけませんので、受理に至っていなかったということです。きょう11日から25人の捜査班を作って動いており、受理するかどうかは言えませんが、遺族の方が来られれば対応したいと考えています」
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<大津・中2自殺>学校と市教委を捜索 いじめ巡り滋賀県警
毎日新聞 7月11日(水)20時56分配信
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、滋賀県警は11日夜、同級生3人が男子生徒に暴行した疑いがあるとして、市教委と中学校を家宅捜索した。男子生徒の自殺に関する市教委側の調査資料や教諭の日誌を押収したという。学校でのいじめを巡り、警察が学校などを捜索するのは極めて異例だ。
県警は、男子生徒へのいじめや加害行為に関する複数の生徒のアンケート回答の大半を、市教委側が公表しなかったことなどを重視し、実態の解明には強制捜査が不可欠と判断したとみられる。
捜査関係者によると、捜索の暴行容疑は、同級生3人(当時13歳と14歳)が昨年9月29日の体育祭で、男子生徒の口に粘着テープをはり、手足を鉢巻きで縛って羽交い締めにしたうえで、殴ったというもの。アンケートの内容などから、ほかの生徒が目撃していた可能性があるという。
県警の捜査員24人がこの日午後7時20分ごろ、中学校の校長室と職員室、市役所別館2階にある市教委学校教育課などで捜索を始めた。捜索は深夜にまで及んだ。県警によると、市教委では調査資料など43点、学校では教諭の日誌、生徒の出席簿など約80点を押収した。
県警幹部は「アンケートで、いじめに関して回答した生徒らから事情を聴くなどし、来月中には捜査結果を出したい」と話している。
男子生徒の父親(47)は毎日新聞の取材に「市教委では調査に限界があるのではないか。同じようないじめが二度と起きないためにも、県警は真相を明らかにしてほしい」と話した。【村瀬優子、村山豪、加藤明子、前本麻有】
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<大津・中2自殺>遺族に部外秘の確約書 学校側
毎日新聞 7月11日(水)22時5分配信
大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、学校側が実施したアンケート結果を遺族に渡す際、口外しないよう確約書に署名させていたことが11日、関係者への取材で分かった。その後に渡されたアンケートにはいじめに関する情報が300件以上あった。生徒の父親(47)は「学校側に求められ仕方なくサインした。これに縛られなければもっと早く真相究明できたのでは」と憤っている。
【容疑は男子生徒への暴行】大津・中2自殺:学校と市教委を捜索
確約書は昨年10月24日付。中学の校長宛てで、「守秘すべき個人情報が含まれていることを認識し、部外秘とすることを確約します」と明記している。
学校は生徒の死後、遺族の要望も受けて全校生徒にアンケートを2回実施。1回目の結果は同月28日に提示した。市教委は暴力や体の拘束、蜂の死骸を食べさせるといった「いじめがあった」とした上で、自殺との因果関係は認めなかった。
確約書について、市教委は「アンケートは外部に公開しない前提で行った。口外しないよう求めたことは間違っていない」としている。
市教委は同11月に実施した2回目のアンケート結果も、回答した188人のうち「葬式ごっこ」「自殺の練習と言って首を絞める」とした1人分しか明らかにしていない。【千葉紀和】