不適切会計処理:中学で扶助費など392万円、宇都宮市教委が発表 05年度から11年度 /栃木
毎日新聞 2012年8月4日(土)13時7分配信
宇都宮市教育委員会は3日、市立陽西中学校(富田友子校長)で不適切な会計処理があったと発表した。
市教委と学校によると、05年度から11年度までの間、年度ごとに処理しなければならない市や国から支払われる教育扶助費などを、給食費や生徒会費などの各口座に振り分けずそのままにしていたという。未処理で残されていたのは計約392万円。内訳は給食費約218万円▽生徒会費とPTA会費など約60万円▽教育扶助費と就学援助費約114万円。
給食費は該当する保護者と教職員約1500人に返還され、生徒会費やPTA会費などは、当該団体と協議の上支払われる。教育扶助費と就学援助費は、生活保護世帯などの該当者25人に平均約4万円が支給される。
同中学校では08年4月から女性事務長(51)が一人で会計処理を担当。事務長は「処理量が多く、各口座への振り分け作業に時間がかかるため後回しにしていた。申し訳ない」と話しているという。事務長は今年3月末で別の中学校に異動し、富田校長に11年度分の会計処理が終わっていないことを5月に申告。学校の調査で不適切処理が発覚した。
本来ならば教育扶助費などの口座は、年度末で残金がゼロにならなければならないが、このチェックを校長も怠っていた。前校長は11年3月末で退職している。今後は確認作業をしっかり行い、再発防止に努めるという。
不適切処理により、給食は本来よりも1食あたり3円ほど少ない費用で作られていたが、栄養面などに影響はないという。【長田舞子】
8月4日朝刊