医師が内部告発「東京女子医大病院の医療ミスで2歳男児が死亡した」
週刊文春 2014年4月16日(水)21時1分配信
東京女子医科大学病院で2月、禁忌薬(使用が禁じられている薬)の投与を受けた2歳の男児が死亡していたことが週刊文春の取材でわかった。
男児は2月18日に手術を受けたが、21日に容体が急変し死亡。この間、禁忌薬である麻酔薬プロポフォールを投与されていた。
本誌に内部告発した女子医大の医師と職員は次のように語った。
「臨床過程、日数、指示書、病理解剖の筋肉の所見などから判断するとほぼ間違いなく死因はプロポフォールです。当然、医療過誤が疑われるケースでしたが、病院側は異状死の届け出をせず、死亡翌日に同病院で男児を病理解剖し、24日には火葬されました。火葬の翌日になって、ようやく病院側は所轄の牛込署に異状死を届け出たのです」
医療事故研究会を主宰する森谷和馬弁護士によれば、
「医療過誤の疑いがある場合は異状死とされます。医師法第21条にも、異状死は24時間以内に所轄警察署に届け出なければならないと規定されています。禁忌薬については、使用の合理的な説明ができなければ、遺族は業務上過失致死で女子医大を刑事告訴できます」
東京女子医大は、次のように回答した。
「現在、外部評価委員を加えた医療安全管理特別部会にて原因究明と再発防止策の策定中につき、回答は差し控えます」
女子医大病院は、高度な医療行為が必要な患者に対応できる特定機能病院に指定されており、今後の対応が注目される。
<週刊文春2014年4月24日号『スクープ速報』より>
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東京女子医大、男児死亡 鎮静剤、成人基準2.5倍か
産経新聞 2014年4月16日(水)7時55分配信
■業過致死容疑 医師ら聴取
東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、手術後に人工呼吸器をつけて経過観察中だった男児(2)が死亡した事故で、男児が成人への基準値の2倍を超える鎮静剤を投与された疑いが強いことが15日、関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は1回ごとの投与量や日時などを示した病院の資料を押収。この鎮静剤は集中治療室(ICU)で人工呼吸中の子供への投与が禁じられており、病院側が危険性を認識しながら過剰に投与したとみて、担当医らから業務上過失致死容疑で事情を聴いている。
男児は2月18日にあごのリンパ管腫の手術を受け、ICUに移されたが、同21日に高熱を出すなど容体を急変させ、午後8時ごろに死亡が確認された。
病院側は手術の麻酔薬として鎮静剤「プロポフォール」を使用。ICUで男児は人工呼吸器をつけていたが、鎮静状態を継続するため、死亡するまでの4日間で計10回以上、追加投与していた。
最後の投与は心停止する数時間前の21日午前9時ごろだった。
投与量は添付文書で示された成人向けの量を大幅に超え、病理解剖などの結果、男児がプロポフォール注入症候群と呼ばれる合併症を発症していた疑いが強いことも分かった。
麻酔科医は内部調査に「プロポフォールは早く効く利点があるが、切れるのも早く、男児が人工呼吸器を外してしまう恐れなどがあり、繰り返し投与した」などと説明。4日間の投与総量は「成人換算で約2・5倍の約6500ミリグラムに上る」としているという。
東京女子医大広報室の話「内部調査の結果がまとまっておらず、現時点で話すことはない」
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2歳児急死、火葬後届け出 東京女子医大 医師法違反か
朝日新聞デジタル 2014年4月20日(日)5時23分配信
東京女子医大病院(東京・新宿)が2月、首を手術した男児(当時2)が急死した4日後に警視庁に事故を届け出ていたことが朝日新聞の調べでわかった。遺体はこの間に火葬され、警視庁は事件性を調べるための司法解剖をできなかった。異状死の24時間以内の届け出を義務づけた医師法に触れる可能性がある。
病院関係者によると、病院は2月18日、男児の首のリンパ管腫を取り除く手術をした後、集中治療室(ICU)に移し、気道に呼吸用の管を通した状態で経過をみた。男児が動いて管が抜けるのを防ぐため鎮静剤による全身麻酔を実施。この鎮静剤はICUで人工呼吸中の小児への使用が禁じられていたが、継続的に成人の基準の約2・5倍の量を投与した疑いがあるという。
男児は21日に容体が急変し、午後8時ごろ亡くなった。鎮静剤の副作用で急性循環不全に至った可能性があるという。病院は22日に病理解剖をした後、遺体を遺族に引き渡した。遺体は24日、告別式を終えてから火葬された。病院は25日になって警視庁へ届け出た。
警視庁は業務上過失致死の疑いで捜査を進めているが、司法解剖をできなかった影響が出ているという。医師法違反にあたる可能性もあるとみて調べる。
上の記事を並べると、
1.4月16日(水)発売の週刊文春に女子医大の医師と職員が内部告発
おそらく原稿は11日(金)辺りに入稿。
2.店頭にならぶ前の週刊文春の記事を15日に入手した産経新聞が取材結果を16日の紙面で記事にする。
3.週刊文春や産経新聞と購買層がかぶらない朝日新聞が20日にやっと記事にする。
といった感じでありましょうか。