「生徒が気絶しても暴行を続けるなど危険かつ執拗」柔道技かけ生徒大けがの元教諭に有罪判決 神戸地裁
読売テレビ 2021/2/15(月) 11:54配信
兵庫県宝塚市の中学校で、無断でアイスを食べた生徒に柔道技をかけ、大けがをさせたなどとされる元教諭に、神戸地裁は15日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
判決によると、宝塚市立長尾中学校の元教諭で柔道部顧問だった上野宝博被告は去年9月、柔道部の生徒2人が差し入れのアイスを無断で食べたことに腹を立て、柔道技をかけ背骨を折るなどのけがをさせた。
これまでの裁判で、上野被告は「悪いことをしたとわかってもらうため、お灸をすえようと力で抑え込んだ。怒りをコントロールできなかった」と起訴内容を認めていた。
この日の判決で、神戸地裁は「生徒が気絶しても暴行を続けるなど危険かつ執よう。何ら教育的効果はなく、体罰にほかならない。過去にも生徒への体罰があり、問題は根深い」と指摘した一方で、「懲戒免職を受け一定の社会的制裁は受けている」として、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
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兵庫県宝塚市の中学校で、柔道部員の1年男子2人に柔道技をかけて背骨を折るなどの重軽傷を負わせた傷害容疑で顧問教諭の上野宝博容疑者(50)が兵庫県警宝塚署に逮捕されたことを受け、競技を統括する全日本柔道連盟も調査に乗り出し処分を検討することが19日、明らかになった。全柔連の中里壮也専務理事がオンラインで取材に応じ、「なるべく早く調査に取りかかる」と話した。
上野容疑者は9月25日、校内の冷凍庫で保管していたアイスキャンディーを部員の生徒2人が無断で食べたとして立腹。他の柔道部員の目前で柔道の投げ技や寝技を連発して負傷させた。生徒の1人は絞め技で失神した後も平手打ちで無理やりに起こされ技をかけられ続けたといい、胸椎骨折で全治3カ月の重傷。もう1人は首を打撲する軽傷を負った。
全柔連は指導における体罰や暴力行為を禁じており、違反した場合は指導者登録停止などの処分を科す可能性がある。
今回の件についても、コンプライアンス委員会を中心に調査委員会を立ち上げ、聞き取り調査などを行う見込みだ。中里専務理事は「加害者の人権もあるので(処分決定まではヒアリングなどの)手順を追わないといけない。ただ、加害者は今(警察に)身柄を拘束されているので直接面会できるか。制約がある中でいろいろ調べていく」と話した。