<内柴正人被告>初公判で無罪主張…準強姦事件、東京地裁

<内柴正人被告>初公判で無罪主張…準強姦事件、東京地裁
毎日新聞 2012年9月12日(水)11時36分配信

 九州看護福祉大(熊本県玉名市)の女子柔道部員に性的暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた元同大コーチでアテネ・北京両五輪の柔道男子66キロ級金メダリスト、内柴正人被告(34)は12日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)の初公判で「性的関係を持ったのは事実だが、合意の上だった」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 起訴状では、被告は昨年9月20日未明、合宿先の東京都八王子市のホテルで、酒に酔って熟睡していた10代の女子部員に性的暴行をしたとされる。

 検察側冒頭陳述によると、被告は部員ら数人と焼き肉店などで飲酒後、酔った部員を背負って部屋まで送った。ベッドで眠っていた部員が下半身に異変を感じて目を覚ますと、被告が覆いかぶさっており、「何をしているんですか。やめて」と声を出すと、テレビの音量を上げるなどしたという。一方、弁護側も冒頭陳述を行い、「部員がしがみついてきて離れなかった」などと反論した。

 準強姦罪は、判断能力がなかったり抵抗できない状態の女性に性的暴行をした場合に適用され、強姦罪と同じ3年以上の懲役。

 被告は10年に同大でコーチとなり、客員教授も務めたが、昨年11月に懲戒解雇された。

 東京地裁で最大規模の104号法廷には、被害者保護のために遮蔽(しゃへい)板も設置された。白いポロシャツ姿でがっしりとした被告は、起訴内容の認否で「合意の上でも社会的に許されることではなく関係者にご迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪しながらも、「被害者は間違いなく起きていた」と、用意した書面を淡々と読み上げた。閉廷後は弁護団を通じて「名誉のために最後まで闘い抜く」とのコメントを出した。公判は12月に結審する見通し。【和田武士、鈴木一生】

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