<兵庫いじめ自殺>「虫がおる」と泣き出す 夏に情緒不安定

<兵庫いじめ自殺>「虫がおる」と泣き出す 夏に情緒不安定
毎日新聞 2012年9月19日(水)3時7分配信

 いじめを受けていた兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒(17)が自殺した問題で、男子生徒が夏ごろから情緒不安定になり、夜中に「虫がおる」と泣き出したり、登校を渋ったりしていたことが両親の話で分かった。男子生徒は同級生から「虫」と呼ばれ、椅子に蛾(が)を置かれるなどのいじめを受けており、母親は「今考えると、いじめで追い詰められていたのでは」と話した。学校側は6月にいじめをうかがわせる情報を得ながら対応しておらず、母親は「情報を教えてくれれば学校に行かせなかった」と悔やんだ。

 両親によると、8月中旬、夜中に寝ていた男子生徒が突然目を覚まし、布団をめくり、懐中電灯を持ち出して「ここにムカデみたいな虫がおる」と泣き出した。実際には虫はいなかった。梅雨時には、部屋に飛び込んできたカメムシを「はよ殺して」と叫んだ。高校に入るまで虫を怖がる様子はなかったため、母親は驚いた。

 夏休み前には弁当をほとんど食べずに帰った日もあった。男子生徒は昼食時、別の教室に行って友人と一緒に弁当を食べており、母親が理由を尋ねると「今のクラスになじめない」と答えたという。母親は「学校に行くように厳しく言ってしまった。今思えば学校をやめさせればよかった」と後悔している。

 一方、両親は18日、学校が2年生275人を対象に実施したアンケート結果や、職員会議の議事録など一連の文書開示を求め、県教委に請求書を郵送した。

 高校によるとアンケートは記述式で22人が「いじめ行為を見た」と回答。名前や筆跡で生徒が特定される恐れがあるとして、アンケートの回答用紙を読み上げて両親に伝え、書面は提供していない。父親は「包み隠さず説明してほしい」と訴えている。【高瀬浩平、藤顕一郎、宮武祐希】

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